イスタンブール/アヤソフィア
ブルーモスクからぶらぶらとアヤソフィアに行く。
アヤソフィアもブルーモスクと並ぶ (文字どおり並んでいる) イスタンブール観光の花形である。
あまり触れたくないけど、この寺院はトルコ以前の建築物で、と説明すると話がずるずると長くなってしまうんだけど、そもそもイスタンブールの歴史は古い。
ただし、トルコ人がトルコにやってきたのは、イスラムの勃興以降の11世紀ごろで、それ以前のトルコはギリシヤやローマの勢力圏だったのだそうだ。
ギリシヤ神話でおなじみのトロイやエフェソスの遺跡は、じつはトルコにあるのである。
そんなわけでイスタンブールにはトルコ以前の遺跡が多い。
アヤソフィアも、もともとはギリシア正教の建物だったものを、10世紀にこの地を占領したオスマントルコがイスラム寺院に改修したものである、そうだ。
わたしたちはつい、丸いドーム型の屋根をイスラム寺院の様式と思ってしまうけど、これはイスラムよりもっと古いキリスト教世界の様式であって、たとえば日本の神田にあるドーム型のニコライ堂も、ロシア人のキリスト教司祭さんの名前からきたもので、イスラムとはなんの関係もない。
理屈はそのくらいにして、アヤソフィアに行こう。
この日のアヤソフィアの周辺は、あちこち掘りくり返して、庭を整備中だった。
わたしは2年まえのパックツアーで、もちろんこの寺院 (現在は博物館) を見ている。
そのときは、となりにあるブルーモスクと比べると、建物の美醜でおとると思った。
あとから無理やりイスラム寺院に改修されたせいではないだろうけど、外観がボロっちく、内装も古めかしくて、あまり感心しなかったのである。
ところが今回また入ってみて (20リラ払って)、考えを改めた。
照明が少ないせいもあって、内部はおごそかというか、いかにも寺院らしい荘厳さに満ちている。
興味と探求心のある人にとっては、キリストのモザイクだとか、聖母マリアの手形だとか、いろいろ歴史の遺産が建物の内部にちりばめられていて、ブルーモスクよりはおもしろそうである。
こんなアヤソフィアを見たい人は早目に行っておくことだ。
なんでも未曾有の震災によって、建物全体が60年以内に崩壊するという学説もあるそうだから。
そうならないように、日本も協力して耐震補強をするとかしてるとか。
この日、アヤソフィアの中にはイスラム教徒たちの団体がつめかけていた。
ここは現在は博物館で、寺院ではないのだけど、なにかえらいお坊さんが説教をしているように見えた。
ブルーモスクといい、アヤソフィアといい、この日は金曜日という以上に、なにかイスラムの特別な日だったのだろうか。
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コメント
とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。
投稿: 添え状の書き方 | 2012年12月19日 (水) 14時47分