イスタンブール/骨董市
日曜日だしな。
どこへ行っても混雑してるだろうしな。
そんなわけでどこかへ行くのもおっくうになって、ホテルにもどり、ベッドの上でパソコンを打ったり文庫本を読んだり、これが優雅というやつさとうそぶいていたけど、やっぱりわたしにもせっかちな日本人の血がすこしは流れているのか、だんだん退屈してきた。
そのうちホテルから遠くないところにグランド・バザールがあることを思い出した。
で、ヒマつぶしにひやかしに行ってみることにした。
どうせヒマつぶしなので、ホテルからぶらぶらと歩く。
するといつのまにかイスタンブール大学のあたりをさまよっていた。
まわりに学生らしい若者がたくさん往来していて、イスラムの戒律おかまいなしって感じで、男女が平気でべらべらおしゃべりしている。
このあたりは米国や日本のキャンパスとあまり変わらない。
そのへんで気がついたけど、トルコ人の風貌の特徴のひとつに、顔の下半分が黒いヒゲだらけというのがある。
具体的にいうと、イランのアフマディネジャド大統領の顔だ。
ああいうのは年配者かと思ったら、20前後の大学生にもそういう顔がけっこういた。
大学の門のまえに婦人警官が立っていた。
スイマセン、グランバザはこっちでいいですかと訊いてみた。
どうしてもイスラムの戒律がちらちらしてしまうので、わたしがトルコで女性にものを尋ねたのは、これが最初で最後である。
彼女はほかのトルコ人同様、なかなか親切で、ここをこうしてああしてと丁寧に教えてくれたけど、わたしがぜんぜん英語を解さないことがわかると、アッチといって通りの先を指さした。
トルコの女の人も親切であることだけはわかった。
そのうちにトラムのベヤズット駅のわきに出てしまった。
じつはグランド・バザールに行くのは、この駅のそばの門から入るのがいちばん便利なのである。
ところが門は閉まっていた。
訊いてみたら日曜日は休みなんだそうだ。 オイオイ。
日本じゃ日曜日に休みのショッピングセンターなんて聞いたことがない。
仕方ないので、ベヤズット駅のまん前にあるバイエズィド・ジャーミー (舌を噛みそうだ) のあたりをぶらぶらする。
おかげで偶然見つけたんだけど、このモスクのわきには古本屋が店を出していた。
ガイドブックに古本屋街と書かれていることもあるけど、そんなだいそれたところじゃない。
路地の奥に数軒の本屋がならんでいるていど。
いくら読書家のわたしでもトルコの本は読むことはできないから、本屋を横目でながめながらモスクの裏庭へ抜けたら、そこでは骨董市が開かれていて、大勢の人々が集まっていた。
骨董市というより、ガラクタ市といったほうがいいかもしれない。
売られているのは、壊れたケータイ、電池切れの電卓、安いボールペンだとか、手作りのペンダント、コインやキーホルダーなど、わたしの部屋の机のなかに入れっぱなしになっているガラクタみたいなものばかり。
どれどれと手にとって吟味したくなるようなものはほとんどないけど、たまたま古そうな燭台と天秤量りを売っているおっさんがいた。
これはおもしろかったけど、日本に持って帰るのはがさばって大変そうなので、買うわけにはいかない。
いちばん最後の写真は、古本屋に展示してあった・・・・・ これはなんだろう。
ショーウインドウの中に飾ってあって、一見貴重なもののようだけど。
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