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2012年5月 6日 (日)

イスタンブール/女性の衣装

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2008年の北京オリンピックが、競技ではなく競美だったら、イランの女性選手たちがメダルを受賞したことはまちがいがない。
そのくらい、おそろいの、肌をかくしたユニフォームで行進するイラン選手たちは美しかった。

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さて、わたしはイスラムの国にいる。 イスタンブールにいる。
わたしにとってイスラム女性の美しさはあこがれの的だ。
そんなイスラム女性がまわりにうじゃうじゃ。
で、欣喜雀躍、随喜の涙ぽろぽろっていうかというと、これがなかなかむずかしいのである。
くわしいことは省略するけど、つまり、女性の美醜は世界のどこでも共通ってコト。
ふだんのままの大勢のイスラム女性のなかに立ってみれば、やっぱりみんな美人ばかりじゃないということがよくわかる。
現実は残酷なものだという、わたしはまたひとつの真理に追突してしまったのである。

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美醜はともかくとして、どうしてイスラムの女性はあんなに暑そうな服を着るのだろう。
砂漠の民がTシャツ、短パンではなく、男までやはりぞろりとした民族服なのは、れっきとした理由があって、そのほうが体の表面から水分が奪われにくいからだそうだ。

トルコはイスラム原理主義とは一線を画した国だから、強制はしてないはずだけど、やはり多くの女性がぞろりとした衣装で全身をかくしている。
高温多湿の日本から来た当方としては、さぞかし暑いだろうと余計な心配をしてしまう。
彼女たちは熱帯性の生きものなのだという人がいるかもしれない。
しかし、上から6番目の写真を見よ。
暑いってんで、スィミット (ドーナツ型パン) の屋台の手前を歩く女性なんか、服を脱いで手にかかえてしまっているではないか。
おかげで彼女がジーンズにナイキのスニーカーであることも一目瞭然。
伝統的な民族服の下の彼女らは、アメリカや日本の娘たちとほとんど変わらない服を着ているのだ。
トルコの女性たちがきゅうくつな (かつ暑苦しい) 民族服を脱ぎ捨てる日は近いのかも。

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わたしは最近の米国の映画やテレビ番組にまゆをひそめるほうだから (そのわりにはドラゴン・タトゥーなんていやらしいのが好きだけど)、世界にはまだまだ固い宗教の禁忌のもとに生きている女性が多いということをうれしく思ってしまう。
しかし、このへんはむずかしいところである。
「アラブの春」 がトルコにまで波及して、トルコの女性たちが自由 (とハレンチ) を満喫するほうがいいか、ベールにつつまれたひそやかな魅力でもって、男たちをひきつける現状のままがいいか。
いったい彼女たちはどっちがいいと思っているのだろうか。

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そういうテツガク的な話題は別にして、やはりあちらの女の子もブランド好きなようで、いちばん下のイスラム娘なんか、スカーフだって、あたしのはバーバリーよ、バーバリーって自己主張しております。

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