イスタンブール/3大料理
トルコ料理は世界の3大料理のひとつだという。
おいしいという意味じゃない。
味覚というのは人それぞれで、たとえばわたしのように、ケバブよりアジの開きのほうがいいという人間だっているのである。
誰が言い出したのか知らないけど、世界の料理をおおざっぱに分けると、まずヨーロッパの料理がひとつで、こちらの代表としてフランス料理を選ぶ (こんなことを言いだしたのはたぶんフランス人なのだろう)。
つぎにアジアの料理がひとつ。
こちらは、人口比からしてとうぜん中国料理ということになる。
これで2つは決まり。
2大料理じゃおさまりがわるいからもうひとつ選びたい。
トルコはヨーロッパとアジアの架け橋といわれる。
それじゃこの両者の中間にある国 (トルコ) の料理を、というとかなりふざけた理由になってしまうけど、これならヨーロッパ (キリスト教社会)、アジア (それ以外の宗教社会) に加えて、除外するのがむずかしい世界三大宗教であるイスラム社会の料理を含めることになるから、万事円満にかたづくのである。
こんなところがトルコ料理を3大料理に含めた理由であるらしい。
イスラム料理とくればトルコということも必然で、トルコにはオスマントルコやそれ以前に、強力な長期王朝があった。
どの国でも権力者というやつは、美味しい食べもの (と美女) が好きだから、強力な王朝があるところでは美味しい食べもの (と美女) が集まるのは当然である。
フランスにブルボン王朝、中国にも漢や唐などの長期安定政権があったことはご存じのとおり。
例外は日本の徳川政権で、こちらは世界的にもめずらしい質素倹約を旨とする政権だったから、食べものもロクなものが発展しなかった。
以上はわたしの勝手な想像もあるけど、3大料理なんておおかたそんなものだろうと思う。
ボスポラスクルーズからもどった日の夕食は、ホテルの近所のレストランでとることにした。
洗濯屋へ行った帰りに、この店のまえで食事を誘われたのがきっかけだけど、昼間からけっこう家族連れの客が入っていたから、わるい店ではなさそうだった。
じっさい味もわるくなかったし、値段もまあまあだったから気にいって、イギタルプに泊まっているあいだに、このレストランには2回通うことになった。
写真は1回目の食事で、魚料理を頼んだら、出てきたのは (たぶん) ホッケだった。
こいつは日本ではコンビニでも売ってる安い魚である。
トルコでホッケが獲れるかどうか知らないけど、肉ばなれのいいことと、味はわたしがよく食べているコンビニのホッケと同じだった。
例のラヴァーシュという空気でふくらんだパンも写っている。
こちらはまだ穴をあけるまえの状態で、広角レンズのおかげで小さく見えるけど、じっさいの大きさは30センチくらいある。
これにビールとサラダをつけて、とうぜんながらこれだけでわたしの腹は一杯。
2回目に行ったときは、ベジタリアンのわたしにふさわしい料理をガイドブックで調べて、カルヌヤルクというナスに挽肉を詰めた料理を頼んだ。
美味しくないとはいわないが、ナスがでっかすぎた、わたしには。
世間の胃袋が大きすぎるのか、わたしの胃袋が小さすぎるのか、外国に行くたびに悩むんだけどね。
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