イスタンブール/洗濯屋
空港からホテルにもどってきて、今度は洗濯屋に行くことにした。
ホテルに泊まっていて洗濯ものを出したいときは、備え付けの袋に入れて部屋のまえに出しておけばよい。
しかしこれだと手数料をとられ、しかも中国なんかではぜったい確実の保証がない。
それでわたしは外国へ行くと、自分で洗濯屋を探して、ちょくせつそこへ持ち込んでしまうことにしている。
そのつもりだったけど、気がついたら洗濯に出すつもりのズボンが見つからなかった。
どうやら前のホテルに忘れてきたらしい。
そこでひとっ走り、アルバトロスまで往復することにした。
こういうときイスタンブルカルトのありがたさがよくわかる。
アクサライからスルタンアフメト駅まで、あいだに駅が3つか4つあるだけだ。
もうトラムにも乗り馴れているから、ほいほいとズボンを取り戻してきて、そのあと近所を探しまわってランドリーはすぐ見つかった。
こういう店でも仕事をしているのはほとんど男で、たとえ受付といえども女性は応対に出てこないようである。
さすがはイスラムの国だけど、店内のようすは日本の洗濯屋とほぼいっしょ。
ズボンとシャツを出す。
白いヒゲの、洗濯屋らしからぬ職人タイプの男性が出てきた。
いかにも偏屈そうで、そういう点ではわたしもたじたじ。
でもまあ、わたしはぶっきらぼうな応対というのがキライではない。
洗濯ものはこの日の夕方までに出来上がるという話だったけど、無理して今日中に受け取る必要もないので、はあはあと了解しておく。
洗濯屋からもどるとちゅう、チャドル姿のイスラムの人妻からもの乞いをされてしまった。
小さな子供を連れていて、この子のためにいくらかをといっているらしい。
もの乞いはトルコという国の影の部分かもしれないけど、外国では貧乏だからではなく、職業としてこれをやっている人もいる場合があるから、いちがいに福祉政策に難をいうわけにもいかない。
ここでもホテルのボーイに硬貨をみんなやってしまったことを後悔した。
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