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2012年7月14日 (土)

マンガ家

516 先日書いたブログ記事に、オーストラリア在住の人からコメントがついて、わたしのイラストについてなんだかんだと、まあ、ほめてくれているらしい。
ほめられるとすぐ調子にのっちゃうのが欠点のわたしなんで、気分はわるくない。
おかげで灰色の青春時代、いまではなつかしい思い出になっているその挫折の記憶がよみがえってきた。

絵がうまいからマンガ家になれるとはかぎらない。
風景画や似顔絵描きなら、いっしょうけんめい勉強すれば、あるていどは風景や本人に似せた絵が描けるようになるけど、マンガの場合は絵以外に、読み手を笑わせるアイディア、あるいは感動させるストーリーが必要だ
しかもプロになって週刊誌や新聞などに連載をもったら、このアイディア、ストーリーを毎日考えなければならないのだから、これは非ジョーシキな天才でないかぎりなかなかできないことである。
わたしの購読している朝日新聞には、いしいひさいちサンとしりあがり寿サンのマンガが載ってるけど、この両人はほかにも週刊誌などに連載をもってるのだ。

こんな困難を克服しているマンガ家というのは、画家と小説家を併せたような偉大な存在なのである。
日本に政治家が何人いるか知らないけど、政治家は交換がきくが、個性ある絵を描くマンガ家は交換がきかないから、もちろん政治家よりマンガ家のほうが偉大でもあるのだ。
政治家は日本のお役に立っているという人がいるかもしれない。
しかしわたしの見たところ、こないだの東日本大震災でも、あわてふためき、そのくせ政争だけは忘れない政治家より、しりあがり寿サンのほうがずっと役に立ったような気がする。

だいたい政治家がいくらおしゃべりしたって、まじめに聞く人がどれだけいるだろう。
そう考えれば、たったひとコマないし4コマのマンガで、世界のどの国の人間も説得してしまうマンガ家の偉大さがよくわかるではないか。

わたしはマンガ家になろうと努力したことがあるけど、自分がきわめてまともで常識的な人間であることを考え、そんな器じゃないことをさとり、胃潰瘍になるまえにさっさとあきらめた。
いまではブログでうさを晴らすばかりである。
ブログで書きたいことだけはいくらでもあるんだけどね。

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日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

おっしゃられるとおり、マンガはアイデアが第一で絵の重要性は2割程度ではないでしょうか。ですから私も絵は下手でもアイデアで勝負しようとマンガ修行をしている次第です。実は私は60歳前のおっさんで、いい年をして夢をみているわけです。
また気が向いたらご自分のマンガを掲載して下さい。ユーニークなご意見や旅日記ももちろん楽しみにしています。
川の ひろし

投稿: パースの漫画家 | 2012年7月15日 (日) 09時55分

この人のブログに直接コメントしようと思ったら、まずアメーバのIDとパスワードを登録しなくちゃならんようだ。
これ以上そういうものを増やしたくないので、もうしわけないけど、わたしのブログ上でコメントしてしまう。

川のサンのマンガ、拝見しました。
ほのぼのとした幸福感があって、順風満帆な人生がうかがわれるような絵ですね。
朝日新聞に採用されるためには、もうちっと毒が必要な気もしますが・・・・・
いや、これ以上いうのはやめましょう。
プロのマンガ家のあたまの構造なんて、わたしにはとても理解できそうにありません。
がんばってください。

投稿: 酔いどれ李白 | 2012年7月16日 (月) 02時52分

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