原発とメディア
夕刊に 「原発とメディア」 という小さなシリーズがあって、今日のそれに 「銀河鉄道999」 のマンガ家の松本零士さんが取り上げられていた。
現存するマンガ家のなかでわたしのもっとも尊敬するマンガ家で、マンガ家をこころざしていたころ、よくその絵をなぞったことのある人である。
このシリーズで読むかぎり、この人の原発に対する考えはわたしとほとんど同じだ。
かってはほとんどの人がその危険性に気がつかず、原発が生み出す幸福を享受していたくせに、事故が起きてから、それを賛辞していたと個人を責めるのは、人道にもとるとまではいわないけど、はてさて、どんなものか。
松本零士さんがこのシリーズに取り上げられたのは、彼は電力会社の求めに応じて、原発をリポートする漫画を描いたことがあるということから。
ただ、彼はリポートの終わりに、「自分は専門家ではないので、原発の是非については判断できない」 というセリフを入れている。
それでも本人にいわせると、敗戦後の飢えや停電の記憶から、つぎのエネルギーが開発されるまでは、原発は必要という考えだそうだ。
起きてしまった原発事故については、安全面が脆弱であったことに愕然としたという。
そして最後につぶやく。
「私は悪者というわけですな」
わたしもこの人とほとんど同じ考えだから、わたしもひとつつぶやくか。
「わたしも悪者というわけかい」
SF作家というものは、近い未来ではなく、数百年後、数千年後のことまで考えているものだ。
遠い銀河への旅や、過去と未来を行き来するのに、いったいどんなエネルギーが考えられるのか。
わたしは原子力 (核分裂か核融合かわからないけど) というものが、そのころには安全でかんたんにコントロールできるものになっているほうに賭けるけど。
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