ハワイ/バースト
忘れていたけど、ハワイから帰国しましたという報告の中で、あわやという場面に遭遇したと書いたことがある。
まかり間違えばわたしら全員が死傷していたことはホントである。
到着した翌日に島内観光があったこと、そしてポリネシアン・カルチャーセンターというつまらないところへ連れていかれた、そのおりのこと。
フォードの中型バンに20人ぐらいで乗り込んで、高速道路を走っていたときのことである。
ある場所でとつぜん車体の下からバタバタと激しい音がした。
てっきりパンクだと思ったけど、そのわりには車は平穏に路肩に停止した。
なんだなんだと大騒ぎになり、見ると後部のタイヤハウスのあたりの床に穴があいて、車内にまでタイヤの破片が飛び散っている。
車からおりてみると、ダブルタイヤになっている左後輪の内側タイヤが完全にバーストして、タイヤの表皮がめくれてしまっていた。
あぶないところだった。
後輪がダブルでなかったら、ハンドルをとられて、車が横転していてもおかしくない状況だ。
ベルトをしてなかったから、わたしが車の外に放り出されていても不思議じゃなかった。
ハワイを愛する人たちを幻滅させる気はないから、これはほんとうに、めったにない事故だったと思うけど、またしてもわたしは自分の幸運について考える。
この旅だけじゃない。
わたしの人生は、すくなくともその後半は、まあまあの幸運につきまとわれているのだ。
怠惰このうえないくせに、なんとかその日を無事に暮らせるていどの幸運に。
そのうち天罰が当たりそう。
しかし人の人生を決める神さまが、その人生に対して罰を与えるってのは矛盾してると思うから、けっきょく将来がどうなるのかさっぱりわからない。
残りの人生、あしたはあしたの風が吹くって生き方しかないみたい。
| 固定リンク | 0
コメント