心得
先日、サービス業関係の講習会に参加した。
サービス業に従事する人間の心得みたいなものについて、講師のご高説を承ろうというのである。
聞いていてこころの中に寒々としたものが。
講師のお話の中にこんなひと節があった。
「最近では若い人たちの中に、スーパーやコンビニ、ファミレスなどのサービス業で働く人が増えています」
「彼らは入社すると、まっ先に、徹底的に言葉使いを正されます」
「そうやって言葉使いを正された若者たちは、そうした言葉使いが当然と信じているので、彼らに接するとき、こんどはこちらが言葉使いに気を使わないと問題になる場合があります」
うん、そりゃもっともだよな
最近の若いもんの言葉使いはなってないもんなと、余計な感想はさておいて、これはまあ、まっとうで常識的なお話である。
わたしも若いころは傍若無人だったから、こんな話を聞くと耳がイタイ。 とってもイタイ。
でもと、またわたしの反抗的気分がちょっぴり顔を出してしまう。
『いらっしゃいませ、今晩わ』
これは最近ファミレスなんかでよく聞く挨拶だけど、わたしはこの言いまわしがキライである。
キライどころか、なんかとっても気持ちわるい。
こういうきまり挨拶は米国あたりの影響らしいけど、まるでロボットがしゃべる電子造成語みたいで、こころのこもった言い方とはとても思えないし、わたしならゼッタイ口にしたくない言葉である。
こんな挨拶をされるくらいなら、田舎の食堂で店のおばあさんから
「美味いから食ってけ、こら」 (こらだけ余計だけど) といわれるほうがよっぽど気持ちイイ。
最近のそうしたマニュアル一辺倒の常套句について、文法的にもおかしいという発言が新聞などによく取り上げられる。
でもそういうことにいちいち文句をいうほうがおかしいんだろうなと思う。
マニュアル社会では、人間らしい発言も行為も、封じたまま生きなければならないのである。
現在は決められたセリフを決められたとおりに発声していれば、相手もこちらも安心してしまう時代なのである。
やれやれ。
老兵はすみやかに退陣すべき時代なのかも・・・・・
もう人間やめたい。
でも、まだ貯金がすこし残っているもんな。
アレ使い切るまで頑張らなくちゃ。
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