アルジェの戦い
映画 「アルジェの戦い」 は、フランスから独立しようとする植民地アルジェリアの戦いを描いた1965年の映画である。
モノクロ、ドキュメンタリータッチで、迫真の傑作である。
もちろん最近の若いもんが、こんな映画のことをおぼえているはずがない。
残念だけど仕方がない。
時代はどんどん変わっていて、ベトナム戦争やソ連の崩壊でさえ過去のものになりつつあるのだから。
1962年にフランスから独立したアルジェリアは、その後どうなったのか。
イスラム勢力が台頭したり、おさだまりの軍部によるクーデターが起こったり、さらに90年代にこの国ではテロが激化して混乱をきわめた。
だからなんでもかんでも独立っていうのはよくないよとはいわないけど、いろいろ考えさせる国である。
わたしは90年代の写真週刊誌 「フォーカス」 の記事をおぼえている。
テロ集団は手当たりしだいにそのへんの小さな村を襲い、住人を虐殺した。
ある村で、殺されたあげく、首を切断されて井戸へ投げ込まれた女性のなま首写真がフォーカスに載った。
美しい女性だった。
残忍さがきわだつような写真だった。
このたびのアルジェリアの事件でも、軍部、テロ集団とも短絡的な暴力志向で、理性のかけらもないようにみえる。
こんな連中のあいだにはさまれた外国人たちこそいい迷惑。
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