ロシアの旅/トレチャコフ美術館
もう20年以上前になるけど、上野の美術館で 「トレチャコフ美術館展」 なる催し物が開かれたことがある。
なんでもそのころ美術館の建物が改築中で、地元のモスクワでは公開できずにいた作品が、ごっそり日本に引っ越してきたというきわめて貴重な美術展だった。
たまたまわたしは偶然の僥倖もあって、この美術展を見ることができた。
当時からロシアにあこがれていたわたしにとって、それはそれは素晴らしいものだった。
けっしてわたしが絵画にくわしいわけじゃないけれど、そこに描かれたロシアの風物は、そっくりそのままあこがれのロシアへのバーチャル旅行だったのである。
そのとき見たクラムスコイの 「忘れえぬ人」 については、その後渋谷の Bunkamura で開催されたトレチャコフ展でも見た。
そのとき同時にいくつかのロシア絵画の名品も観た。
ロシアには有名な美術館として、もちろんサンクトペテルブルクのエルミタージュがある。
しかしそちらが古今東西の西欧の名画をならべているのに対し、トレチャコフ美術館にはほとんどロシアの画家の作品だけがならべられている (ただし、作品の数が増えすぎて、20世紀以降の絵画については、新しくできた新館のほうに集められているという)。
今回の旅でわたしがほんとうに観たかったのは、エルミタージュよりもむしろ、トレチャコフ美術館 (旧館) のほうだったのである。
時代は変わり、ロシアがいまでは新興の成金大国になったとしても、絵画の中では過去という時間が永遠に固定されている。
わたしはもういちどトレチャコフ美術館の絵をこの目で見たかった。
そしてわたしはとうとうその美術館のまえまでやってきたのである。
いちばん上の写真がトレチャコフ美術館の建物。
2番目の写真はミスター・トレチャコフ。
3番目がクロークのある受付あたり。
以下、館内へと続く。
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