ロシアの旅/音楽ファン
中華料理を食べながらかほりクンと会話する。
彼女は小さな音楽プレーヤーとベッドホンを所持していて、しょっちゅう音楽を聴いている。
そして××を知ってますかという。
米国の歌手らしいけど、彼女の英語が流暢すぎてさっぱりわからない。
何度かたずねて、セリーヌ・ディオンやホイットニー・ヒューストンであることがわかった。
わたしの世代とは活躍した時代が異なる歌手ばかりだから、知らんねと答えると、おおげさにおどろいて、えっ、知らないんですか、こんな有名な歌手をという。
わたしだってビートルズやストーンズならいくらでも知ってるんだけどというと、じゃあディープレッドを知ってますかと訊く。
彼女の口ぶりからすると、かなり古いロックグループらしいけど、そんな名前は聞いたことがない。
ディープパープルってのなら知ってるといってみたら、パープルもレッドも同じですという。
んなバカな。
このこと自体はどうでもいいことだけど、現在のロシアでは若者たちのあいだで、米国の歌もよく流通していることがわかった。
米国歌手のCDは自由にいくらでも買えるそうだ。
こんな話をしているうち、わたしはかほりクンがあまり感情をおもてに出さない娘であることに気がついた。
好きな音楽や本のことなら、それなり楽しそうな顔をするけど、全体としておしとやかで無口という印象である。
いったいロシア人というものは、あけっぴろげで、喜怒哀楽をからだ全体で表現する人が多いんだけど、彼女はそうではない。
それが日本人の血のせいかどうかわからないけど、この先もわたしは彼女がなにを考えているのか、往々にして悩んでしまうことがあった。
写真は、うーん、これがかほりクンであると断言はしない。
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