ロシアの旅/朝食とチップ
朝になった。
パンク娘が朝食を部屋にもってきた。
なかなかサービスがいいけれど、考えてみるとこのホテルには食堂もないのだから、部屋で食べるしかないのである。
食事は別料金200P(600円ぐらい)で、内容は写真を参照のこと。
メニューは2種類あって、といっても目玉焼きがスクランブルエッグに変わるていどだけど、とくに注文をつけなければ日替わりになるようだ。
いずれにしても、小食のわたしにはちょうどいい分量である。
娘が食事を持ってきたときお金を渡すのを忘れた。
食事を終えたあとカラの容器を返還するついでにお金を払おうと思ったら、たまたま娘がいない。
そこにいた従業員のおばさんに渡そうとすると、おばさんは大きな声で、レイナー!と娘の名前を呼んだ。
おかげでこのパンク娘の名前がわかってしまった。
当初パンクだった娘だけど、その後はずっときちんとした服装をしていた。
日本からやってきた渋い魅力のわたしを意識してるのかもしれないと、そう思うだけならタダである。
ところで昨夜ホテルにもどってみたら、シーツが交換してなくて、ベッドは出かけたときのままグチャグチャだった。
ロシアの格安ホテルではそのていどが常識らしい。
わたしも家では万年ベッドみたいな生活をしてるから、シーツぐらいでへこたれる人間じゃないけど、ひょっっとするとチップを払わないからこんな仕打ちに遇うのかなと思う。
ロシアはチップのいらない国なので、わたしは今回の旅ではいちどもホテルにチップを置かなかった。
チップを払ってシーツを交換してもらうほうがいいか、シーツはそのままでチップを払わないほうがいいかと訊かれたら、払わないほうが節約になっていい。
若い娘と情事でも楽しんだあとならともかく、なんの、たかが4、5日で。
それでもわたしは心中ひそかに期するものがあり、そのうちフロントのパンク娘にゴマをすろうと決意していたのであった。
わたしの部屋はフロントのすぐとなりだから、ホテルに出入りする客とよく出会う。
客のなかには格安ホテルを求めるかざらないヨーロッパや米国人が多いらしく、たまに彼らと言葉をかわすことがある。
ものすごい美人に出会ったことも何度かあった。
自由旅行さえいつでも許されるなら、このホテルにまた泊まってみたいものを。
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