ロシアの旅/作品雑感の2
スペインは欧州でほとんどロシアと正反対の位置にある。
遠いからっていうわけじゃないだろうけど、スペインの3大巨匠、ゴヤ、ベラスケス、エル・グレコの絵は多くない。
ベラスケスの絵はつまらない男を3人描いたもので、この美術館の看板にはなりそうもない。
ゴヤや、いま日本でも個展が開かれているエル・グレコについては、なかなかいい作品があるけど、いかんせん数が少なすぎる。
わたしの希望ではスペイン絵画にももうすこしお金をつぎこんでほしかったなってところだけど、オメエのための美術館じゃないっていわれてしまうかしらね。
それほど有名じゃないけど、スネイデルスという画家の描いた 「魚屋」、「八百屋」 などという絵が、自称ナチュラリストの当方としてはおもしろかった。
たてのサイズが人間の身長ほどもある横長の絵だけど、画家の複雑な精神状態の発露のように、ごちゃごちゃぐちゃぐちゃと、魚もしくは野菜・果物が台上に積み上げられている絵である。
台の下にはオットセイまでがいて、見学に来ていたロシア人の子供たちも大喜び。
エルミタージュにはもちろん風景画もある。
しかし画家がロシアに限定されてないから、風景も欧州各地にまたがっていて、わたしみたいに絵画の中を散策しようって人には、まず場所を特定しなくちゃいけないから不便である。
なんでロシアに来てパリやフランダースの景色を観なくちゃいけないのか。
歩いているうちエジプトのミイラの石棺や、ローマの石のレリーフ、日本の鎧にまで出くわしてしまった。
こういうものはやっぱりその国で観るほうがエエ。
ほかにもたまたま目についた絵はたくさんある。
帰国したあとでいろいろ調べて、もういちど観たいと思った絵もたくさんあるけど、すべてあとの祭りだ。
また機会をうかがってエルミタージュを再訪するしかないのである。
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