ロシアの旅/ママさん
駅には、まだまっ暗な早朝であるにもかかわらずタクシーがならんでいた。
しかしわたしたちには、イミナさんの知り合いという男性が迎えにきていたから、ほとんどのタクシーがあぶれたわけだ。
ほかに下りる客もあんまりいなかったし。
荷物をぎゅうぎゅう押し込んで出発する。
まわりはシベリアのタイガもかくやと思わせる黒い森、よくみると雪におおわれた銀の森である。
どこをどう走っているのかわからないけど、ほとんど対向車のない街道を4、50分は走っただろうか。
車が停まったのはボロヴィチという小さな町の中の、団地ふうの集合住宅のまえだった。
Mさん夫妻は家の中から出てきた人たちと抱き合って久闊を叙しているけど、わたしはそれをぼんやりみているしかない。
家の中に案内された。
イミナさんの両親の家もそうだったけど、建物の外観はおそまつでも内部はきれいである。
ここで家の主人に紹介された。
といってもこの人のことをくわしく紹介するわけにはいかない。
この家の主人は女性だけど、じつは名前や職業をいえばいっぺんでわかってしまうほど、地元では有名な人なのである。
しかしこれからしばらく、このブログの主要登場人物になるのだから、まるっきり触れないわけにもいかない。
仕方がないから以降は “ママさん” というニックネームで話をすすめよう。
ママさんにはひとり息子がいる。
サーシャ君といってかわいい顔をした高校生だけど、なにを食べたらそんなに大きくなるのかといいたくなるくらい、健康的に育った若者だ。
ほかにママさんの母親という人も同居していた。
家族についてはこのくらいにしておこう。
さっそく歓迎会が始まったけど、まだ夜明け前なのである。
呑んで騒ぐわけにはいかない。
写真はこのときご馳走になったロシアふう肉マンと、ママさんの家のある住宅だけ。
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