ロシアの旅/夜行列車
おぼえているだろうか。
このブログにも何回か登場した、わたしのアパートの階下に住んでいた金髪クンのことを。
彼がロシアに里帰りして1年半がすぎた。
その後あまり便りがなかったので気になっていたけど、今回の旅でひさしぶりに再会することができた。
彼もいっしょに田舎に行くそうである。
彼は日本語がわかるから、わたしにとって頼もしい助っ人だ。
列車はレニングラード駅を深夜の1時に出発する個室寝台で、列車の旅の好きなわたしにとって大きなよろこびである。
ま夜中なので景色が見えないのは残念だけど、このあとサンクトペテルブルクからモスクワにもどるとき、もういちど列車に乗る機会はある。
駅で出発まえに写真を撮った。
ちょっと緊張した。
ソ連時代に外国人が駅の写真を撮ったら、まちがいなく逮捕・ラーゲリ行き、よくって国外退去処分だ。
でも大丈夫だったから、ロシアはこの面でもだいぶグローバル化されているようだ。
駅というのは人生の縮図みたいなところがあるので、市場とならんで、外国でわたしがもっとも見たいもののひとつなのである。
駅ホームのようすは添付した写真のような感じ。
個室寝台といっても中国の旅で何度も乗ったことのある4人用個室だ。
わたしたちはMさん夫妻と、金髪クン、わたしの4人だから、ちょうどいいはずだったけど、乗り込んでみたら先客がひとりいた。
事情をよくしらないわたしが、ズドラストヴィーチェ (ロシア語である) と挨拶すると、すぐにうちとけた。
なにか農業関係の指導員をしている人だそうだ。
タブレット端末を持っていたから、ロシアがおくれている国だと思っている人は認識をあらためたほうがいい。
日本人の顔にぼかしが入っていてもあまり気にしないこと。
親切な人だったけど、車掌のはからいで彼は部屋を移動してしまい、わたしたちはようやく個室を占領することになった。
といっても深夜なのでべらべらおしゃべりしているわけにもいかない。
わたしはさっさと上段ベッドによじ登って横になった。
まんじりとしたわけでもないけど、目的地まで4時間半ほど。
到着した駅では、停車時間が1分しかないというので、もう最初から荷物をまとめておくしかなかった。
最後の写真は、まだ暗いころ到着した目的地のオクロフカ駅だ。
石川啄木の 「さいはての駅に下り立ち雪あかりさびしき町にあゆみ入りにき」 という歌にふさわしい駅である。
街頭の灯りをすかしてみると、ダイヤモンドダストがきらきらと降りそそいでいるのがわかった。
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