ロシアの旅/アルバート通り
ガイドブックをみると、アルバート通りは歩行者天国になっていて、いろんなパフォーマンスが演じられたり、似顔絵描きなどが出ていたりするところだという。
原宿のホコ天みたいなところらしい。
おもしろそう。
というわけでトレチャコフ美術館を見学したあと出かけてみた。
メトロのアルバーツカヤ駅で下車し、地上に出ると、ふたまたに分かれた新旧アルバート通りの根もとである。
歩行者天国になっているのは旧アルバート通りだ。
正直いってあまりおもしろくない。
時期がわるかったのかもしれないけど、ビラ配りがいたくらいで、パフォーマンスなんか誰もやってなかった。
道路の両側にもそれほど個性的な店がならんでいるわけではない。
ある場所に木造の民芸レストランみたいなものがあった。
営業してなかった。
路地の奥に変わった看板が見えたから、ライブハウスでもあるかと思ったけど、かほりクンの説明では質屋だそうだ。
みやげもの屋に入ってみた。
日本人みたいな顔をした女の子が、英語や中国語や日本語をかたっぱしからならべてコンニチワという。
あなた日本人かと訊くと、中央アジアのなんとかいう国の出身だという。
ロシアも多民族国家である。
この店の名前は Onegin という。
名前なんかあげても仕方ないけど、たまたま店でもらった名刺が残っていたもので。
ある場所に盛大に落書きされた壁があり、芸術性を感じたというとオーバーだけど、おもしろかったから写真に撮っておいた。
かほりクンが、これはなんとかいう亡くなったロック歌手をしのんで、ファンが書いたものですという。
こういうしのび方はわるくない。
道路のまん中で絵が売られている。
なかなかいいものもあるし、一見して観光客相手の見栄えばかりがいい絵もある。
わたしはこの旅に出るまえに、郷里で版画家になっている古い友人に会ってきたばかりだから、彼へのみやげ話のつもりで版画作品をひとつ買っていくことにした。
添付した下の画像がアルバート通りで買ったものだけど、銅版画 (エッチング) である。
買ってから売りぬしの口上を聞いてみた。
彼は古くなったスクラップブックを持ち出して、これを見てくださいと制作工程の写真を見せてくれた。
絵の表面をさわってみればインキが盛り上がっているのがわかりますと。
つまり、この作品はむかしながらの手作り版画であるといいたいらしかった。
この日の観光はこれで終わり。
かほりクンのガイド契約は2日間だったけど、まだどこか見たいところはありますかというから、トレチャコフ美術館にもういちど行ってみたいし、メトロの駅も芸術的でおもしろそうだしなあと返事したら、サンクトペテルブルクから帰ってきたらまた案内してあげますという。
こんな美少女が相手ならひとりでぶらぶらするより楽しいから、お願いしますといって、この晩はホテルにもどった。
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