ロシアの旅/村の鉄橋
昼ごろになって全員が起きてきたあと、昼食をいただき、みんなで歓談しているとき、この村にはめずらしい橋がありますという話が出た。
日本の錦帯橋や大月の猿橋みたいなものかと思い、見たくありませんかと訊かれたから、ぜひと答えた。
徒歩30分ぐらいだというから歩くことにした。
いっしょに行くのは金髪クンとサーシャ君である。
ちなみにサーシャというのはアレクサンドルの省略形だそうだ。
かのネフスキーも仲間うちからはサーシャと呼ばれていたのだろうか。
鉄橋を見たついでにサウナに入りに行くというから、下着の着替えだけを持参することにした。
3人で村の中を見物しながらぶらぶら。
とちゅうに家具工場があって、建物のまえに巨大な椅子が置かれていた。
まあ、これはべつにおもしろくない。
教会があって、なにやら大勢の人たちが行列していた。
日曜礼拝みたいなものでもあるのかと思ったら、これはなんとかいう尊い聖人の遺骨が地方の教会を巡回していて、この日はたまたまこの教会にやってきており、それを拝みに来た人たちの行列だそうだ。
ならんでみようかと考えたけど、時間がかかりそうなのでやめた。
尊い人の遺骨っていうのはどんなものか見たかったけど。
道路のとちゅうに木造の古そうな民家があり、窓ガラスを通して白いレースのカーテンがのぞいている。
家人の気持ちがしのばれるし、冬の夜にペチカをかこんで家族が団らんしているさまが目にうかぶ。
ペチカはいいけど、この村では火事で燃えた家の跡をいくつか見た。
田舎の1軒屋にもすべて暖房用の湯のパイプが行きわたっているわけじゃないから、こういう家ではペチカやストーブを使う。
アル中が多いとされるロシアでは、これはとっても危険なことである。
火災のことを考えると、やはり暖房用にお湯を供給してしまうほうがいいんじゃないだろうかと、ロシアの防災対策についてよけいなことを考えてしまう。
またひとつ教会があった。
白いきれいな教会で、雪の中の白い教会だから、アンデルセンの童話に出てくる雪の女王の屋敷みたいである。
こちらは安息日なのか、いつもそうなのか、誰も集まっていなかった。
小さな公園があり、戦没者を供養するための炎が燃えていた。
こんなものをひとつひとつ紹介してもしようがないけど、村の雰囲気はわかるだろう。
歩いているのは楽しかったけど、橋はおもしろいものではなかった。
ただの鉄橋で、そんなに古いものとも思えない。
橋のたもとにいわれを記したパネルが貼り付けてあったけど、読めないし、読んでみようとも思わなかった。
パネルの写真を載せておきますんで、読める方はどうぞ。
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