ロシアの旅/水パイプ
この晩は夜行列車で田舎にあるイミナさんの親戚に行くことになっている。
荷物をまとめて部屋で待機していると、夜の10時半ごろ、アルト君の車でMさん夫妻が迎えにきた。
このまま駅に行くのかと思ったら、そのまえにアルト君に食事をさせるということで、あるレストランに立ち寄った。
かってのロシアでは大半の店がそうだったらしいけど、食事だけではなくダンスホールになっている。
歌手のアルト君もここで働いたことがあるのだそうだ。
わたしたちが行ったとき、男性歌手がステージで歌っており、そのまえで2人の若い娘が腰をくねらせて踊っていた。
ステージの背後には大きなスクリーンがあって音楽にあわせた映像が流されている。
踊っているのはただの客ですかと訊くと、そうだという。
欧米の女の子が踊っているのはけっこうサマになるから、ディスコでショーガールが踊っているのを見ながら食事するようなものだ。
ここで奇妙なものを見た。
ひとことでいうと水パイプなんだけど、きれいな容器に長い菅がついていて、黒人のボーイがそれを注文した客のまえで、まずひと息かふた息吸って煙をはきだし、客に吸い口を渡す。
わたしたちの中に注文する人はいなかったけど、各テーブルにその容器が置いてあったから誰でも注文できるらしかった。
なんだ、水パイプかというなかれ。
そんなものがじっさいに使われているのをみたことがないわたしには、なんか禁酒法時代の違法クラブにまぎれこんだみたいな雰囲気である。
食事を終えて駅に向かう。
わたしたちが出発するのはレニングラード駅だけど、正面にヤロスラヴェリ駅というべつの駅がある。
どちらも古典的スタイルの建物で、ライトアップされていてひじょうに美しい。
でも美しい駅の写真はないのだ。
急げ、急げとせかされて写真を撮ってるヒマがなかったもんで。
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