ロシアの旅/ドライブイン
田舎道を飛ばすこと1時間で、ようやくバスは交通量の多い幹線道路に出た。
ここは3車線の道路だった。
片側3車線ではなく、両側で3車線である。
なんだか変則的な道だなと思っていたけど、そのうち3車線の走り方がわかってきた。
3車線のうち、まん中の1車線は追い越し専用で、それは1キロごとにこっちの車の追い越し車線、対向車の追い越し車線に交代するのである。
これは厳格に守られていて、こっちに追い越し車線使用の権利がある部分以外では、こっちの車はけっして追い越しをしない。
そのかわり追い越しの権利部分になると、早い車はいっせいにおそい車の追い越しにかかる。
それでもここで観察したかぎりでは、ロシア人は日本人ほど短気ではないようだ。
とちゅうで1回だけドライブインに寄った。
腹がへってないから食事をする気はなかったけど、いちおう車を下りてみた。
すぐに着ぶくれした女性が寄ってきて、いくらかめぐんでくれという。
めぐまないでいると、今度はべつの車のドライバーに話しかけていた。
こういうのも現在のロシアの格差社会が生み出した必然の結果だろうか、それとも気楽なアルバイトというのだろうか。
ドライブインでトイレを借りようかと思ったけど、それほどもよおしているわけでもなかったし、ロシアのトイレは、これはもうなんというか、筆舌に尽くしがたい汚さということを椎名誠さんが書いていたので、遠慮した。
もっともプーチンのロシアになってからはそんなことはなくなったみたいで、わたしはこの旅でそんな悲惨なトイレに出会ったことはいちどもない。
バスの運転手が食事を終えて出てきたところで、その運転テクニックに感動していたところだから、写真を撮っておいた。
背中に紅海ダイビングなんとかというロゴの入った赤いジャンパーを着た若者だった。
幹線道路に出てからは見るべきものは多くない。
サンクトペテルブルクに着くまでに、すくなくとも2台の大型トレーラーが横転しているのを見たくらい。
サンクトペテルブルクが近づくと、道路標識に英語の表記もあらわれる。
街の上空に着陸態勢の旅客機がゆっくり飛んでいた。
目的地は近いけど、さてこの後のわたしの運命は・・・・・・
1番目の写真はわたしの乗ったバス。
2番から4番目まではドライブインで見た光景。
5番目の写真でトラックのまえを歩いているのが物乞いの女性で、ごっつい、高そうな毛皮のコートを着ているのだ。
赤いジャンバーはドライバー君。
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