ロシアの旅/両替
そろそろいいだろうと、そのあたりの両替商に飛び込んだ。
写真でごらんのように、赤いネオンでドルとユーロのその日のレートを表示しているのが両替屋。
街の中のいたるところにあるけど、日本円のレートまで表示している店は少ない。
両替屋では不安だという人は、もちろん銀行でもOK。
両替屋に入ってくる客の目的は、強盗でもないかぎり決まっているから、紙幣を見せさえすれば、言葉が通じなくてもなんとかなる。
ところがドルとユーロ以外は両替できませんという。
べつの店でも同じことをいわれ、こりゃヤバいなと思いつつ、さらに3軒目へ。
半地下になったどこかうさんくさい店である。
階段を下りたところに人相のわるいガードマンがいる。
カウンターは、刑務所の面会室みたいなのがたったひとつで、内側に太ったおっさんが座っていた。
おそるおそる、ここで日本円を両替できますかと訊くと、おっさんはうんとうなづいた。
レートは前回よりもいいくらいだった。
もしかすると日本では安倍クンが早くも馬脚をあらわして、また円高に振れたのかもしれないと思う。
いずれにしても両替できて安心して、帰りに今度はちゃんとした銀行でもういちどチャレンジしてみることにした。
正規の銀行と私設の両替商のちがいは、銀行のほうはガラス張りでピカピカで、女の子がたくさん働いていることのようだ。
もうひとつ、行内でぼんやりしていると、すぐに行員が近づいてきて、何か用事ですかと訊くこと。
これこれしかじかでと説明すると、順番チケットを発券機から取るよういわれる。
こんな機械が置いてあるところもそうかもしれない。
自分の順番がきたので、別室になってる窓口へ入ってみた。
お金のやりとりはものものしい。
防弾ガラスの下のほうに小さな窓があり、そこに小さなケースがついている。
ケースをこちらに引き寄せてお金を載せると、係りはそれを自分のほうに引き寄せる。
これでは拳銃強盗も手の出しようがない。
ここでもレートに文句はなかった。
ところが、受け取ったお金を封筒に入れていると、係りが、あっ、いまの、それ返してという。
なにかまちがえたのかと思い、いったんお金を返してみた。
相手は電卓をがちゃがちゃやって、今度は5000Pぐらいのお金を寄こした。
冗談じゃない、ダメだ、こんなのとつっ返すと、また電卓をがちゃがちゃ、べつの行員もやってきて、いっしょにがちゃがちゃ。
けっきょく最初の金額をそのまま寄こした。
なんだ、コレ。
ここで不思議なのはパスポートも提示する必要がなかったことだ。
これはいったいどういうことだろう。
たぶんわたしがいいかげんであるように、ロシアの銀行もいいかげんなのだろうと考える。
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