ロシアの旅/陽のあたる通り
帰りは通りの北側、つまり陽のあたる側を歩いてもどることにした。
通りのあちこちで古風な石畳を見かける。
これと同じものはトルコのイスタンブールでも見たことがあるけど、絵画的つうか文学的つうか・・・・・・
つぎの写真のアーケードみたいな通りは、陽のあたらない側にあるゴスチーヌィ・ドヴオールという古い百貨店だそうだ。
百貨店にしちゃ華やかさに欠けるけど、それは古いせいで、どのくらい古いかというと1785年創立だというから、日本の三越なみに古い。
このアーケードの下を歩いたはずだけど、そちら側を歩いているときはぜんぜん気がつかなかった。
チョコレート博物館というものがあった。
博物館とは名ばかりで、べつの場所にも同じものがあったから、ただのチョコレート屋らしかった。
わたしが日本に帰国したあと、まもなく2月14日のバレンタインデーだ。
ロシアにも女の子がチョコを贈る風習があるんだろうか。
ないだろうな。
映画館があった。
わたしは自他ともに認める映画好きだから、ロシアの映画館には大きな興味があった。
こじんまりした円形の建物で、建物のまえにやはり彫刻なんか置いてあり、ロビーにはすてきな喫茶店もある。
日本でもミニシアターなんていって、けっこう豪華な映画館が増えているけど、サンクトペテルブルクの映画館をまえにしたら、いくらかひけめを感じなければいけないのではないか。
こちらでは映画館を出たあとも、まだ映画的な、ロマンチックな街並みが続いているのである。
チケットを買って入場まではしなかったけど、ロビーにどこかで見たような映画のポスターが貼ってあった。
去年の年末に米国で封切られたばかりのタランティーノの 「ジャンゴ」 で、キリル文字ではこれで “ジャンゴ” と読むらしい。
わたしにはすこしだけ読める。
そんなことはどうでもいいけど、米国とほぼ同時期の公開だ (日本より早いんじゃないか)。
ロシアをまだ鉄のカーテンの向こうの陰けんな国と信じているアナタ、米ロ間の交流は日本を飛び越えてかっぱつに進んでいるらしいぞ。
館内への入口は階段を上がった2階にある。
2階通路の壁には人気スターのものらしい写真がたくさん展示してあった。
映画好きなわたしだけど、さすがにロシアの俳優にまで詳しいわけじゃないから、どれが誰なのかぜんぜんわからない。
ここに載せた写真には1950年という年号がついているから、そうとうに古い女優さんである。
映画館をあとにしてぶらぶら行くと、道路のはじに画商が絵をならべていた。
キザではあるけど、わたしはこういうものを観るのが好きである。
部屋に飾るのにちょうどいいサイズの、風景画から肖像画、写実的なものからポップアートふうのもの、なかなかすてきな絵もあれば、観光客に売りつけようという魂胆がみえみえの絵まで、いろんな絵がある。
わたしが買って帰りたいと思った絵がたくさんあったことも事実。
にもかかわらず1枚も買わなかったのは、絵をかついで帰るのは大変という事情から。
ま、観ているだけでも楽しかったからそれでもいいんだけど。
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