ロシアの旅/作品雑感
しっかりした信念のもとに見学したわけじゃないから、どうもだらしない感想ばかりだけど、古代絵画の部屋があった。
古代といってもアルタミラの洞窟壁画やクレオパトラの壁画ではなく、もっとずっと時代をくだった、せいぜいダ・ヴィンチ以前といったあたりの絵で、もちろんわたしはそんなものには興味がないから素通りしようとした。
ちょっと待て。
ここには彫刻も並んでいる。
いずれも具象的な、はだかの男女のなまめかしい肢体である場合が多くて、ひじょうに魅力的ではないか。
アントニオ・カノーヴァの 「三美神」 なんて、薄モノがきわどいところまでしか隠してないし、お尻のかたちがステキと思わない男はいないんじゃないだろうか。
視線がイヤラシイといわれそうだけど、産業廃棄物みたいな前衛彫刻より、ミロのビーナスのほうがわたしはずっと好きである。
※ここに載せた画像は大理石の彫刻ですからね、念のため。
ダ・ヴィンチももちろんある。
赤ん坊を抱いたマリアの絵があったけど、赤ん坊がかわいくない。
エルミタージュにあるダ・ヴィンチは、わたしにはラファエロや、同時代の画家の作品と区別がつかなかった。
これはソ連時代にあまり紹介されてないせいかも。
マルタ島で 「聖ヨハネの斬首」 という代表作を観たカラヴァッジオの 「リュートを弾く少年」 があった。
楽譜まできちんと描きこんだ細密さには感心するけど、人物が少年なのか少女なのか、そのへんがはっきりするまでは批評は差し控えたいと思う。
どうもこの時代の神話や聖書の場面を描いたオールド・アカデミックな絵はニガ手なので、できるだけ足早に通り過ぎることにする。
ある部屋でルーベンスの 「天地と水の結合」 という、H2O(=水) みたいなタイトルの絵に出会った。
ルーベンスといえばすこしまえに日本でも個展が開かれたばかりで、そのときどんな絵だったっけかといちおう調べてみたら、すっごく肥満気味のヌードを発見して、どうもわたしの好みじゃないなってんで、けっきょく個展も見過ごしてしまったといういわくつきの画家だ。
おお、この絵の現物はエルミタージュにあったのかいとすこし感激。
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