ロシアの旅/リーザ嬢
ようやく夜が明けたころ、部屋の窓から外をながめてみた。
すぐ下にグリボエードフ運河が見え、正面に5階建ての石造りのビルが見える。
ビルの煙突から煙なのか湯気なのか、白いもやもやが立ち上っている。
なんとなく 「サンライズ・サンセット」 という歌が鼻からこぼれてしまう。
そういえば 「屋根の上のバイオリン弾き」 というミュージカル、あれもロシアが舞台だよな。
この日は10時にスレイブ氏が迎えに来ることになっていた。
10時ごろブザーが鳴ったのでドアを開けたら、赤いダウンジャケットにジーンズ姿の若い娘が立っていた。
誰だっけ。
見おぼえのない顔なのでまごついていると、相手のほうからライサのと挨拶をした。
そうか、昨日ライサさんの家でちょっとだけ紹介された、娘のリーザ嬢かと思い当たった。
父親がなにかの用事で来れないのだそうで、この日はリーザ嬢の案内であちこち見物して歩くことになった。
彼女もまだ19歳だというけど、モスクワのかほりクンに比べると、ずっと健康的な女の子である。
だいたいロシア美人というと、なぜかわたしはバレリーナのような柳腰の美女 (若いころは) を想像してしまうんだけど、彼女は米国型の美人、つまり西部劇の主役でもつとまりそうな健康美人である。
どうやらわたしの幸運はどこまでもついてまわっているらしかった。
問題があるとすれば、やはりわたしの英語が通じないことだ。
彼女にかぎらず、ロシアの若者には英語ぐらい通じる場合が多いみたいだけど、さすがに日本語はマイノリティである。
言葉の問題はあるものの、この日にリーザ嬢が父親の替わりにやってきたのは、わたしが歩きたいんですということを強調したせいかもしれない。
両親とも歩くのはニガ手で、若くて健康で、まだいくらでも歩けそうなリーザ嬢に、おまえ代わりに行ってきなさいといいつけたのかもしれなかった。
彼女はくわしい説明もせずに先に立ってずんずん歩いてゆく。
くわしい説明をしてもどうせわからないと割り切っているようである。
彼女はわたしより背が高く、とうぜん歩幅も彼女のほうが大きいから、ついて歩くのは大変だ。
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投稿: Video Roulette Start | 2013年3月23日 (土) 13時05分