ロシアの旅/近所のカフェ
わたしは日本にいるとき、あまり外へ飲みに出かける人間じゃないけど、外国にいるときは、これは好奇心というものにも突き動かされて、出かけることがある。
ホテルの近所に半地下になったカフェがあった。
通りからのぞくと、客も若者が多いし、ウエイトレスは普段着の若い娘である。
マフィアが仕切る暴力バーにも見えなかったから、サンクトペテルブルクの散策を終えてホテルにもどったあと、ふらりと出かけてみた。
店内のようすは、トルコで見た洞窟レストランのような雰囲気。
テーブル席がいくつかと、すみっこにバー・カウンターがある。
ロシアのたいていのカフェ、レストランにはクロークがあると書いたけど、ここにはそういうものがなかったので、コートは自分の座席の横に置いた。
あとでモスクワにもどってから、かほりクンと入ってみた喫茶店にもなかったから、こういう店も増えているようだ。
カウンターの中にジーンズの若者が働いていたので、写真を撮らせてもらった。
こういう場合、女の子のほうも捨ててはおかないのがわたしのイケナイ性格だ。
女の子の表情には、いやあねえという気分がいくらかうかがえるけど、どちらも日本人の注文にイヤな顔はしなかった。
ロシアで商売を始めると、マフィアにみかじめ料を請求されたり、悪徳警官から賄賂を要求されたりするので、なかなかうまくいかないという話を聞いたことがある。
しかしこの店の若い男女の店員や、パンク娘へのみやげを買った雑貨屋などを見ていると、ロシアでも法治の精神が根づいて、まじめな市民がまじめに商売できる環境が整いつつあるんじゃないかと思えてしまう。
ワインを注文してみた。
注文にきた若い娘に、赤ならなんでもOKということで、REDぐらいの英語は通じた。
ほかになにを注文したらいいのか、そもそもロシア語がわからないんだけど、メニューをみたら英語も併記してあったから、無難なところでピザを頼む。
ふだんのわたしならピザなんか食べるはずはないんだけどね。
もぐもぐピザを食べながら、店内を観察してみた。
昼食には遅いし、晩食には早い中途半端な時間だったので、客は若いアベックが2組ほど。
壁にライカの写真が何枚かかかげてあった。
ライカで撮った写真ではなく、ライカ・カメラそのものの写真だったから、ここはライカが出資している店なのか。
んなバカなと思っただけ。
最後にチャイ (お茶) を頼んだ。
なんとかかんとかいわれたけど、わからないから、なんでもいいや (OK、OK) と返事をしておいたら、出てきたのはグラスの中に刻んだ柑橘類を入れたものだった。
これに熱い湯をそそぐ。
こんなお茶ははじめて見たけど、香りがいいし、けっこう美味しくて病みつきになりそう。
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