ロシアの旅/モスクワ動物園B
恋人同士なのか、親子なのか、それとも老人と孫の関係なのか、わたしとかほりクンの2人連れを他人はどう見ているのか気になるけど、とりあえずアベックでモスクワ動物園見て歩きの続き。
園内のある場所に映画のポスターが張ってあった。
ご覧のとおり、子供が喜びそうなティム・バートンのなんとかいう作品や、J・キャメロンの 「アバター」 である。
園内には子供たちのためのさまざまな設備があって、ステージや映画館もあるらしいけど、この日は金曜日だし、おおかたは休業中だった。
わたしはサルというのがあまり好きじゃないけど、サル山もあり、日本猿(ЯПОНСКИЙ МАКАК)も展示されていた。
日本のサルは温泉に入ることで、海外でもよく知られていて、わざわざ長野県まで見物にくる欧米人観光客も多いそうである。
しかしモスクワ動物園には温泉の設備まではないようだった。
ある場所にヒョウの檻があって、雪の上をヒョウが行ったり来たりしていた。
ユキヒョウというのもいるし、キリマンジャロの山頂で死んで日干しになるヒョウもいるくらいだから、雪の上にヒョウがいたっておどろかないけど、大丈夫かなあと思ったのは、鉄格子と金網でかこまれた檻に屋根がついてなかったことである。
檻の高さが4、5メートルしかない。
これでは木登りの得意なヒョウならかんたんに飛び越えられそうだ。
ヤバいというので、やっこさんが餌になりそうなわたしに気がつかないうちさっさと移動することにした。
動物園でいちばん人気があるのはゾウである。
ゾウ舎ではちょうど食事の時間だったらしく、飼育係りが舎内の遊び場に枯草だとかパンだとか、丸薬みたいなものをバラまいていた。
そのあいだ空腹のゾウはいっぽうの檻の中で待ちきれずに騒いでいる。
かほりクンは2階のてすりにもたれかかって、檻のとびらが開くのを、こちらも待ちきれないといったふうでながめている。
いいかげんくたびれたわたしは、うしろのベンチに座りこんでしまった。
うしろから観ていると、見物人の中に金髪をうしろで束ねたすごい美人がいて、スケッチブックでゾウを写生していた (この写真でいちばん左に立っている人)。
どこかの画学生らしいけど、美しすぎるなんとかというやつである。
人間が不純なせいか、わたしはこういうものにもすぐ目がいってしまう。
やがてとびらが開き、3頭のゾウがいっせいに餌にかけよった。
べつに大のおとなが見ておもしろいものではないけど、ゾウをながめているかほりクンをうしろからながめて、わたしには思うところがあった。
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