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2013年4月 3日 (水)

ロシアの旅/イサク聖堂

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エルミタージュのまえを通り過ぎて、そのままイサク聖堂まで歩く。
とちゅうの公園に有名な青銅の騎士の像があったはずだけど、わたしは地図やガイドブックと首っぴきで歩いているわけではないから、帰国してからそのことに気がついた。

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地図と首っぴきにならなくても、イサク聖堂については、なにしろどこからも見える大きな建物だから間違いようがない。
この聖堂には周囲に巨大な円柱が屹立している。
円柱の高さや太さよりも、1本が114トンというその重さがスゴイ。
サンクトペテルブルクは、もともと軟弱な河口のデルタ地帯に建設された都市だから、柱の重さで沈んでしまわないようにするには大変な苦労があったそうである。

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わたしは柱の1本に傷があるのを発見した。
イサク聖堂の金色の屋根は、大戦中にドイツ空軍の絶好の目標になったというから、これはそのころの爆撃によるものかもしれない。
修理するのも大変だし、戦争を忘れないための記念碑にもなるというのでそのままにしてあるのだろう。
それとも金がないのか。
この日は屋根の一部を修理中だったけどな。

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ここでは自分でチケットを買ってみた。
250Pである。
チケットを受け取り、通路をちょっといくと、正面に彫刻でかざられた頑丈な木の扉があった。
見たところ、押しても引いてもビクともしない感じの、東大寺の仁王門のような扉である。
ムダかもしれないけど、押してみた。
わたしの細腕ではビクともしない。
うしろからきた娘が、それちがうわよ、入口はこっちと教えてくれた。
わたしが押したのは建設当初からついている聖堂本来の扉で、観光客のためにはもっとスマートで小さな入口がべつにあったのである。
他人が見たらそうとうにまぬけな光景だったみたい。

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内部はストロボだけが禁止で写真撮影はOK。
わたしはトルコのアヤソフィアや、マルタ島の聖ヨハネ大聖堂で、内部の壮大さ、華麗さに感銘をうけたことがあるけど、イサク聖堂は同じ様式ながら、それらをしのぐ大きさである。
これまでに金ピカの屋内装飾はいやというほど見てきたけど、広さ、高さともに圧倒的で、あっけにとられてドーム天井を見上げていると首が痛くなるくらい。
名所旧跡にはあまり感心しないのがたてまえのわたしだけど、ここではまたそれなりの感動があった。

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建物の屋根がドームになっているのは、日本人はついイスラム様式なんだろうと考えちゃいそうだ。
そうではなく、じつはそれよりずっと古いギリシア正教の影響なんだそうである。
しかしここは学問的、専門的、シロウトにはどうでもいいことにはできるだけふれないつもりのウチのブログなのだ。
そんなムズカシイことよりも、どうして遠くのそれらがロシアの宗教になったのかという話のほうがおもしろい。

なんでもむかし、ロシアでもどこかヨーロッパの宗教を取り入れることになり、いろんな宗教を視察した結果、ギリシア正教とその建物がいちばん荘厳で華やかで、カッコいいってことで選んだのだそうだ。
ずいぶんいいかげんだけど、ものの本にそう書いてあったから、これは冗談ではなくほんとうのことらしい。
いかにもロシア人的おおらかさがあってタノシイではないか。

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聖堂を出てからうしろをふり返ったら、丸屋根の下に数人の観光客が見えた。
イサク聖堂には展望台があって、そこからの眺めは天下一品だということを、あとでガイドブックを読んで知った。
おんどれと思ったものの、引き返すのもメンドくさいし、もういちど250P払うのもシャクなので、とうとう展望台に上る機会を逃してしまった。

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