ロシアの旅/ロシア・レストラン
ツァリツィノ宮殿を出たあと、食事をすることになった。
どこかいいレストランを知ってるかいとかほりクンに訊くと、うんといって、彼女が案内してくれたのは、ツァリツィノ宮殿の敷地内にあるロシア・レストランだった。
宮殿まえ広場にある教会のわきを通って、橋を渡った先にある一軒屋の、どうみても安くなさそうなレストランである。
ヤバいと思ったけど、このあたりにほかにレストランはない。
もう旅も終章だし、いざとなったら予備に持ってきたハワイ旅行のあまりの米ドルもあるし、ま、なんとかなるんじゃないかとヤケクソの心境。
かほりクンをエスコートし、なれているような顔をしてテーブルに席をとった。
そのあと、ちょいと失礼といってトイレに行き、あらためて財布の中身を確認する。
かほりクンの母親が来てもなんとかなるくらいの持ち合わせがあったので、安心して席にもどることにした。
帰りがけにふと見ると、レジのあたりにバイオリンをかかえた楽士2人が来ているではないか。
こりゃマズイ。
彼らが席をまわってきたとき、追い返すわけにもいかないから、彼らへのチップも用意しておかなければならない。
高くつきそう。
この店では本格的なボルシチを食べた。
ボルシチはこれまであちこちで食べたけど、本格とそうでないものの違いは、カップの上にパン(薄いパイ皮)でふたがしてあるかどうかだ。
このパンは温かいうちにちぎって食べるとなかなか美味しい。
てきとうにワインなんか飲んでいるうち、かほりクンの母親が毛皮のロングコートで現われた。
母親はあっけらかんとしたおもしろい人で、かっては日本人と結婚していたくらいだから日本語が話せる。
3人でいろいろ会話がはずんだけど、しかし個人的なことをここに書くわけにはいかないから、当たりさわりのない話だけ書いておく。
食べものについては、ライスもロシアでよく食べられているそうである。
日本のお米も有名で、かほりクンは炊いたばかりの日本のライスなら、おかずなんかなくても食べられるという。
だからいわんこっちゃない。
TPPに反対したり農業振興費に頼るばかりじゃなく、日本の農家ももっと海外に打って出なくちゃ。
ロシアでは日本のお米も売られているそうだけど、とても高いという。
商機はあるんじゃないか。
誰か日本のお米の販売ルートを大々的に開発する人はおらんのかい。
そのうち2人の楽士がやってきて、テーブルのそばで勝手に演奏を始めてしまった。
映画なんかでよく見る光景だけど、こういう場合はいくらチップを払えばいいのかしらと、日本人の田舎者としては悩んでしまう。
100P(300円)では馬鹿にしてると思われやしないか。
まがりなりにも大のおとな2人の演奏なんだし、やっぱりひとり2千円ぐらいの稼ぎにならなけりゃ、彼らの生計が成り立たないのではないか。
しかし2千円では、かりにひと晩に5回演奏したとすると、それだけで1万円になってしまう。
この晩の客はわたしたち以外にアベックひと組だけだ。
うーんと悩み、かほりクンの母親にいくら払えばいいですかねえと訊くと、100Pでいいんじゃないのとバッサリ。
気の弱いわたしは200P払っておいた。
1回に正味3~4分の演奏だからこんなものかも。
レストランへのチップ?
ぜんぜん記憶にございません。
最後の写真は帰りがけに見た、ライトアップされてとってもきれいなツァリツィノ宮殿。
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