支援競争
今朝の新聞もつっこみどころがいっぱいだねえ。
ネタが多すぎると文章をまとめるのに苦労するんだけど、そん中からアフリカ会議について。
いや、もう落日の日本を象徴するような記事。
最近景気のいいアフリカで先進国の支援競争が始まっているのだそうである。
日本は景気のいいころさんざん恩を売ったはずなのに、冷酷な国際関係のもとでそんなものは一顧だにされない。
アフリカの小さな国に港を作ってあげましょうといっても、いや、中国がやってくれるからいいですといわれてしまうんだそうだ。
べつにいじわるじゃなく、これが上がり調子の国と下り調子の国の差で、あちらにしてみればとにかくたくさん出してくれるところを頼りにするだけ。
日本人は義理だ人情だなんてものを大切にして、けっきょくおいしいところはみんなよその国に持っていかれる。
そういう点じゃさすがに4000年の人治の歴史をもつ中国は、人心を、いや、為政者のこころをつかむのが上手だ。
日本がもっぱら地味な民生の部分を支援するのに対し、中国は政治家がよろこぶ建設や開発部分を集中的に支援するのだそうである。
アフリカの道路工事現場で、どこの国の支援ですかと訊いたら、中国に決まってんだろといわれ、日本の二の字も出なかったそうだ。
アフリカや中近東あたりじゃ、政府の高官が露骨にワイロを要求するところもあるそうで、つまり体よくたかられているようなもん。
ずっとまえに見たドキュメンタリー番組では、イラクの石油相が日本の交渉相手にむかって、日本ももうすこし国際競争力をつけたほうがいいとのたまう場面があった。
これはおそらく、日本はもうすこしワイロの相場について勉強したほうがいい、という意味なのだろう。
支援だなんだといっても、けっきょくモノをいうのはそのへんの気配りってことになる。
ま、悲しむことばかりじゃないさ。
発想を変えれば、たかられる対象が日本から中国に移っただけじゃないか。
中国がアフリカで幅をきかせるためには、そうとうの金をつぎこんでいるはずだし、そのくせ将来国が左前になってそういうものを出し渋れば、売ったはずの恩がたちまち忘れ去られるというのがこの世界の道理だ。
いくら金を出して政府高官を手なづけても、あのへんじゃ政府がころりとひっくり返るのが日常茶飯事だし。
栄枯盛衰は世のならいである。
でもそのころにはアベノミクスがはじけて、日本も支援される国にまでおちぶれているかも。
そのときこそ、こっちからいってみたいもんだねえ。
おたくももうちっと支援の相場を勉強したほうがエエですよって。
これじゃあどっちが支援されてるのかわかんない。
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