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2013年6月13日 (木)

八重山行き/秘境

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秘境というものが絶滅危惧種であることは、そのへんのタレントさんが北極点に行き、80歳のじいさんがチョモランマに登ってしまうくらいだから、とっくに知られた事実である。
こういう時代における秘境というものはどんなものだろう。

かまどま荘に泊まって翌日の朝っぱら、O君と散歩に出た。
船浮の集落から山越えで500メートルばかり行くと、イダの浜というところへ出る。
ここは山の中の小みちだけど、周囲の樹相はまさに亜熱帯のそれで、アダンやソテツ、ヤシ、ガジュマル、パパイヤ、サキシマハマボウ、イヌビワ、そのほかあまり内地では見かけない植物が繁茂している。
ナチュラリストにはこたえられないところだ。

とちゅうでセマルハコガメに出会った。
この往復だけで4匹も見た。
あとから出かけたW君夫婦は1匹も見なかったというから、セマルハコガメを見たい人は早朝に出かけるといい。
東京やニューヨークのような文明社会では、街中で野生のカメに出会うことはあまりないから、やはりここは秘境といっていいだろう。

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このカメはすごい。
なにがすごいかというと、甲羅に首と手足をひっこめると、すべてがぴったり密閉されて、それこそとりつくシマがないという状態になってしまうのだ。
文明の怠惰にどっぷりつかったわたしらは、このていどでも感心してしまうのである。
セマルハコガメでよかった。
ワニやアナコンダみたいなのが出てきたら、とてもわたしらの手におえない。

ちなみに船浮にはイリオモテヤマネコの発見捕獲の地という碑がある。
小動物や昆虫に範囲をひろげれば、まだまだ西表には新発見が数えきれないほどあるだろう。
わたしはそこまで探求に熱心ではないけど、そういう自然に囲まれているというだけでしみじみと幸せを感じてしまう人間である。
つまりこの時代における秘境というのは、文明社会のゴタゴタに疲弊した現代人に、癒しの効果をもたらしてくれるものであればいいのである。
なにも猛獣や毒蛇が出てこなくても。

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