動く標的
「動く標的」。
観ました。
ひねたおじさんになっても、やっぱりおもしろい。
映画のラストは・・・・・・と書くと、ネタバレになっちゃうけど、こんな昔の、ある種のファンにとっては伝説的に有名な映画で、ネタをばらさないってことになんか意義があるんだろうか。
わたしはどうどうとバラしてしまうぞ。
二転三転したあげく、自分の親友が殺人犯だったってことがわかり、主人公の私立探偵は、逮捕されたくなかったらオレを撃てという。
親友はいちどは拳銃を向けるものの、やはり撃てないといってうなだれる。
探偵は 「無理だな」 とつぶやいて、ここで映画はジ・エンド。
さて、これからが問題だけど、このあとはどうなっただろう。
私立探偵がドライに割り切って親友を刑務所に送ったか、あるいは 「無理だよな」 とつぶやいて、けっきょくなにもなかったことにして親友を放免したのか。
どっちを選んでもハードボイルドにふさわしい結末なんだけど、映画はその先を明らかにしない。
うーん、しびれるよなあ。
ポール・ニューマン扮するしがない私立探偵が愉快だけど、考えてみたらわたしもかなりしがないほう。
コーヒーの代わりに紅茶のティーバッグで、しょっちゅう二番煎じなんてことをやってるもんね。
うーん、身につまされる。
この映画、よく見るとオールスター・キャスト。
ポール・ニューマン、ローレン・バコール、ジャネット・リー、シェリー・ウィンタース、ロバート・ワグナー、ジュリー・ハリスなんて、中には古い人もまじっているけど、みんなそのまま主役が張れる役者ばかりだし、ロバート・ウェバーなんてしぶいわき役もそろっている。
監督のジャック・スマイトって人はそれほど名監督じゃないと思うけど、これはたまたまのまぐれ当たりというか。
すべてが調子よくいくと、傑作・佳作が生まれちゃうことがある。
007 「ロシアより愛を」 のテレンス・ヤングみたいなもん。
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