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2013年7月24日 (水)

政治家の肩をもつ

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新聞の投書欄なんかをながめていると、あいかわらず政府の無策を責める意見ばかりだから、たったひとりの反乱ということで、逆に国民のほうを責める意見というものを書いてみよう。
ひょっとするとそのほうが楽かもしれない。

政府を責める人の意見を聞いていると、まるで政治家は自分のことばかり考えているように思えてしまうけど、そりゃ共産党や社民党の意見でしょ。
アベノミクスは、大企業にばかり恩恵があって、中小企業には利益がないという国民がいる。
そうかしらね。
たしかにそれがもたらした円安では、輸出企業は儲かるけど、材料や燃料を輸入に頼っている企業は、大だろうが小だろうがみんな困るはず。
これが円高になると、この立場が逆転するだけだ。
けっきょくどっちに振れたって、大も小も関係なく、よろこぶ企業もいれば困る企業もいる。
そんなことは誰にでもわかりそうなものだ。

理性的な国民なら、現代は大企業だって濡れ手にアワで儲かる時代じゃないってことを理解しているはず。
政治家が景気をよくするために、大企業に優遇政策をとるのも、大企業というのはたいていすそ野が広いから、それが景気回復にいちばん効果があると信じているからである。
しかし、たとえば国民ひとりひとりに10万円づつ配ってみたらどうだろう。
国民はよろこぶだろうけど、そんなものは一時的な対処療法にしかすぎないことは誰にでもわかる。
だから大企業優遇というのにもそれなりの言い分があるではないか。

消費税導入は貧乏人をますます困らせるだけ。
そうかしらね。そうだろうね。
でもこの増税には民主党だって賛成したんでしょ。
野党は文句をたれていればいいだけの話だけど、政権をとれば政権党に選択肢はあまりないということを民主党が証明したようなもんだ。

政治家は国民に責任がある。
金のなる木があるわけじゃない。
積もり積もった赤字の解消、社会補償費のとめどもない増大、さらに震災や原発の復興費まで加わって、これじゃあ国家百年の計をまじめに考える政治家なら、どうしたって増税以外に方策はない。
そんなことよりムダをなくすのが先決だってことで、すぐやり玉に上がる公務員改革、官僚主導政治の打破なんてものは、民主的で和気あいあいの政治体制のもとではゼッタイに不可能だ。
それができるのは強力な独裁者だけだ。
でも日本国民は、問答無用で役人や官僚の首をたたっ切れるような政治家を支持するだろうか。
ヒトラーやスターリンにいてほしいと望むだろうか。
豪腕で黒帯のプーチンも凶悪なロシアの官僚体質に手をやいているし、多数の堕落官僚をかかえる一党独裁の中国でさえ、官僚においしい汁を吸われっぱなしなのである。

それでも安倍クンはまだ増税に慎重なようだ。
大金持ちのぼんぼん出身で、日本の台所をあずかる麻生クンなんか、早く早くとせっつくけど、せっかく手にした民意を手放すわけにはいかないってんで、じっと国民の大勢を見計らっているようだ。

これは外交にもいえる。
強引な発言で中国や韓国の心胆を寒からしめていた安倍クンだけど、権力をにぎってからはいくらか物言いに慎重になっているようにみえる。
なにしろ指導者のひとことで、トヨタやニッサンが営々と築きあげてきた信用と名声が、いともかんたんに吹っ飛ぶ時代なのである。
円安の恩恵もアベノミクスの命運も、ほかならぬ安倍クン自身の発言にかかっているのだ。

まもなく靖国の夏だ。
彼はお参りした場合の経済的損失(とアベノミクスへの影響)、やめた場合の国内の非難のていど(とアベノミクスへの影響)を、慎重に秤にかけているにちがいない。
そういう結論の出しにくい問題に、じつに短絡的に白黒を出せる国民諸君がうらやましい(と安倍クンは思っているんじゃなかろうか)。

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