八重山行き/ヨタ話
船浮集落の岸壁から見下ろすと、海中にガンガゼがゆらゆらと棘をゆらしているのが見える。
ちょいと見には棘の長いムラサキウニみたいだけど、ダイビングをしたことのある人なら、こいつが海で注意しなければならない動物の代表であることを知っているはずだ。
海の中には人間にとって危険な動物が少なくない。
サメのようなでっかいものはさておいて、ダイバーや素潜りをする人、磯遊びをする子供たちでさえ注意しなければいけない動物がたくさんいるのである。
ガンガゼ、ミノカサゴ、ゴンズイ、オコゼの仲間などは、伊豆あたりの海でもけっしてめずらしい生きものじゃないから要注意だ。
ま、たいていはこっちから手を出さないかぎり害はないけど。
見るからに危険そうなウツボなんて可愛いほうだ。
ウミヘビも気色わるいけど、人間が尻尾をつかみでもしないかぎり無害である。
ガンガゼなんか、危険なくせに食べると美味しいらしい。
沖縄には猛毒のハブクラゲというのがいるそうだ。
上記の生きものに比べると、クラゲの場合、音もなくただよってきて、気がつかないうちに触れてしまうことがあるから、こっちのほうがヤバイ。
あらかじめクラゲがいることに気がついた場合、頭の部分よりも足のほうが長いタイプには注意すべしという通説がある。
ミズクラゲなんてやつは大量発生することがあるけど、足が短いからあまり危険ではない。
わたしは三浦三崎の海岸でこいつをかきわけながら泳いだことがある。
カツオノエボシなんてのは危険なクラゲの筆頭で、足の長さは50メートル!になるやつもいるという。
ただわたしは海でいちども出会ったことがないから、数はあまり多くないようだ。
さいわい今回の西表島ではひとつも見なかったけど、オニヒトデというのがいる。
トゲだらけで、自称ナチュラリストならついさわってみたくなる動物だけど、よく知られた危険動物だから、もちろんさわってはいけない。
しかしこいつはサンゴの大敵だから駆除しなければならない。
さわらずにどうやって駆除すればいいのか。
ずっと以前に見た光景では、長い火箸みたいなものでこいつを串刺しにして捕獲していた。
捕獲をしてもあとの始末が面倒だ。
ヒトデの仲間はいいかげんな処置をしておくと、切断した腕からまた1匹のヒトデが再生してしまい、かえって数を増やすことになってしまう。
ナマコやウニなら食べるってこともあるけど、ヒトデを食べるってのは聞いたことがないし、せいぜい漢方薬のほうでしか利用方法はないみたいである。
船浮の桟橋の下にはウミヘビのようにくねくねと長いナマコがいた。
これはオオイカリナマコ。
長さは1メートル半ぐらいあったけど、さわると30センチぐらいまで縮むそうだ。
試してみようと思って海に入ったところで、わたしのカメラはいかれたのである。
このナマコは踏んづけると痛いそうだけど、そもそもサンゴ礁は素足で歩くところではないということを了解していたほうがいい。
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