八重山行き/コミュニティ
シュノーケリングに参加したとき訊いてみた。
昼にまたがってしまいますけど、昼食はどうなるんですかと。
わたしはてっきりボートにおにぎりぐらい用意してあるんじゃないかと思っていた。
ところがボートをあやつるかまどま荘の主人は、昼食は用意してありませんとぴしゃり。
2、3時間で帰ってくるから、集落の中の食堂で食べればいいという。
ちょっとがっかりしたけど、その言葉を聞いて考えた。
ふつうなら別料金で昼食を用意すれば、それだけでもかまどま荘にはなにがしかの利益がもたらされるわけだ。
朝食と夕食はセットになっているのだから、おにぎりぐらい作っても手間がそれほど増えるわけではあるまい。
しかし、かまどま荘がそれをすると、宿泊客をこの宿が完全に独占してしまうことになる。
昼食はほかの店で食べてくれというのは、この集落へやってくる観光客が他の店にもお金を落とすようにとの配慮なのではないか。
わたしたちはけっきょくシュノーケルからもどったあとで、ぶーの家でカレーを食べた。
4人で食べて、もちろんビールまで飲んだから、ぶーの家にも (たいした額じゃないけど) 貴重な現金収入があったことになる。
船浮集落は小さな部落だけど、そういう互助の精神が生きているようである。
沖縄の田舎ではあたりまえのことかもしれないけど、東京という血も涙もない都会からきた旅人にはこれは大発見のように思える。
以前書いたことがあるけど、わたしが想像する天国というのは (そんなものがあるとすればだけど)、つねにわたしが幼いころに過ごした郷里の風景に似ていて、みんながみんな家族のようなきずなで結ばれているところなのである。
だから、ここはまったく天国みたいなところだ。
コミュニティというのは、わたしみたいなわがままにはツライところもあるけど、ここではそれほどたくさんの義務やノルマがあるように思えない。
ひょっとするとリタイヤ後はここで年金生活でもしようかしとらと、本気で考えてしまう。
フィリピンやタイで老後を過ごそうという人が多いというけど、まかり間違えると裸にされて現地で放り出される可能性があるそうだ。
同じ日本にこんなすてきなところがあるなら、こっちのほうがよっぽどいい。
と、外国語のわからないワタシは考えてしまう。
離島は不便じゃないかと考えているアナタ。
ちゃんとネットはつながるし、だとすれば服だって医薬品だってエロ本だって、ネット通販で買えないわけがない。
いまどき混雑していて、空気がわるくて、どこかオカシイ人の増えつつある都会でしか暮らせないと考えるほうがアホやねん。
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