侍のモラル
オバマ君が怒り狂っている。
ロシアが情報漏えいのスノーデン君を、アメリカに引き渡さなかったのがケシカランというんだけど、またしてもアメリカの自己中心的なわがままだ。
司馬遼太郎の 「街道をゆく」 の中に、江戸時代の大名同士のトラブルの話が載っていた。
徳川政権下の江戸には大名や旗本の屋敷があちこちにあったけど、ある旗本の屋敷でそそうをした下男が、手打ちになるところを、となりの大名の屋敷に逃げ込んでしまった。
こちらを頼りにして逃げ込んできた者を、あっさり相手に引き渡すというのは、当時の侍のモラルからしてあり得ない。
というわけでひと悶着が起きるのだけど、今回のスノーデン君の亡命を認めたロシアの心情はこの大名に似ている。
米国流の考えでは犯罪者であるとしても、そしてロシアにとって迷惑な話であっても、主体性をもった大国として、ロシアが亡命を求めるスノーデン君をアメリカに引き渡せるものではない (相手の顔をうかがってばかりいる日本とはちがうのだ)。
そういうロシアの心情を理解せず、オバマ君は米ロ首脳会談を中止するとほざく。
ま、どっちも相手を必要としているという事情があるから、これも情報漏えいの追従者が出ないようにという一時的なポーズなんだろうけど、アメリカって国はほんとうに身勝手な国だなと思う。
こんな調子だから内部通報者がつぎからつぎへと出てくるんだよ。
| 固定リンク | 0
コメント