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2013年10月13日 (日)

ブレスト要塞

いいことか悪いことかわからないけど、YouTubeにはまるごと1本の映画がアップされていることが多い。
中には日本未公開の映画や、思わぬ掘り出し物もあるので、映画好きのわたしにはありがたいことである。

ロシア映画で 「ブレスト要塞(BREST FORTRESS)」 という映画を観た。
YouTubeで見つけた映画だから、日本語字幕も吹き替えもなく、日本未公開なので予備知識もなにもない。
2時間以上ある戦争映画なんだけど、まずタイトルの意味がよくわからなかった。

冒頭にロシアの地方都市らしい、野山にかこまれたのどやかな町と市民の生活の描写がある。
この町には軍隊もあって軍人たちもたくさん住んでいる。
この軍人たちの服装がなんとなくダサくて、アラビアのロレンスのころのトルコ軍を連想させたから、第一次世界大戦のころが背景なのかと思ってしまった。
そのうち飛行機や戦車をくりだして、ドイツ軍がこの町に攻め寄せてくる。
こちらはもう、ナチス・ドイツの軍服であることが一目瞭然だから、これは第二次世界大戦の話であることがわかった。

映画は攻めるドイツ軍と、町を守ろうという住人たちの攻防を描いた、いかにもロシアらしい一種のプロパガンダ映画だった。
軍服からしても彼我の武力の差は歴然としていて、最後に町は壊滅する。
激しい戦闘のあいまに家族愛や若い男女の恋愛などの牧歌的シーンが挿入され、最後は町から脱出した少年兵が夕日の平原を遠ざかっていくというよくあるパターンだ。
しかしまあ、戦争映画としては出来は悪くない。
CGが多用されていても、アメリカ映画でないというだけで、どこか手作りみたいな雰囲気さえ感じられてしまう。

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少年兵が遠ざかっていったあと、映画は現代にカットバックして、どーんと巨大な石のモニュメントが現われた。
それでわかった。
もういちどロシアに行ってみたいわたしは、ロシアだけではなく、その周辺のウクライナ、コーカサス、ベラルーシなどについて調べたことがあり、この石のモニュメントに見覚えがあったのである。

「ブレスト要塞」 のブレストというのはベラルーシにある都市の名前である。
ここは独ソ戦の初期にドイツ軍と激しい戦闘があったところとして知られており、石のモニュメントはその戦争の記念碑として建てられたもので、いまでは観光名所になっているのだそうだ。
うん、行ってみたいけど、無理だろうな。
こんな映画を観ているより英語の勉強でもすればいいものを。

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