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2013年10月14日 (月)

京橋フィルム・センター

ターナーに失望したあと、もう一軒の美術館に寄ってみた。
美術館というより映画好きの聖地というべきところ、京橋にある国立近代美術館フィルム・センターである。
映画好きのわたしのくせに、これまでいちども入ってみたことがなかった。

行ったことがなかったのは、なんだかやけに中途半端なところにあるからである。
こういうものは上野の山のほとりか、北の丸公園か、六本木ヒルズの中にでもあればいいものを、これは丸の内・京橋のオフィス街の、それもはずれみたいなところにある。
なんか映画に関するいわれのある場所かと思って調べてみたけど、ぜんぜんそんなものはなさそうだった。
今回は、たまたまここでチェコの映画ポスター展というものをやっていて、おもしろそうだったので出かけてみたのである。

フィルム・センターはビルの七階にあった。
入ってみると巨大な映画カメラや、めずらしいモノクロ映像が見られるモニターや、古い日本映画のポスターがべたべた。
ざっと一巡するだけで、フィルム時代の日本映画史をなぞることができる。
カメラの技術的なことにはあまり興味がないけど、アニメの原点のような戦前の動画映像が観られたのはおもしろかった。

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チェコという国は、その映画の製作国の意向おかまいなしに、独自のポスターを作ってしまう国らしく、どれもこれも映画のポスターというよりアートの一種みたいである。
展示されていたポスターは80あまりだけど、映画好きのわたしにも、書かれている文字を読まないで、なんという映画なのか当てられたのはせいぜい10枚ぐらい。
ここに添付したのは、右側がジェーン・フォンドヴァ、いや、ジェーン・フォンダの 「バーバレラ」 であることは絵を見ただけでわかるけど、左側はサッパリ。
説明を読んでみて、ようやく 「甘い生活」 であることがわかった。
ふつうなら出演のアニタ・エクバーグをまん中にあしらうべきところ、これはまた大胆な。

一事が万事この調子だから、遠くのほうからながめて、あれはなんのポスターかと当てる楽しみがある。
どのポスターもチェコのデザイナーが独自の解釈で映画の内容を表現したってことで、街角の壁や電信柱に貼るには惜しい芸術的なポスターもあったけど、中には 「理由なき反抗」 みたいに、当てられる人がぜったいにいそうもないムチャな解釈もあった。

ここの見学者はいかにもデザイナー志望らしい若い女の子が多く、いや、ターナーに比べれば見学者はまったく多くなく、館内は不気味なくらいがらがらだったから、ひとり静かに思索するのにふさわしいところである。
ここでホラー映画の特集をやられたら、これはコワイ。

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コメント

お久しぶりです。
私も職にあぶれていたとき、この界隈をふらついていた時、日本の映画ポスター展を催していたので初めて入り、同じような感覚を持ちました。でも、古いトーキを見せてくれたり(川端康成脚本の確か稲垣監督のやつ)結構楽しめました。
チェコのポスター展、面白そうですね。あさって行ってみようかな。いつも、よい情報ありがとうございます。

投稿: みさま じんぐ | 2013年10月15日 (火) 08時44分

みさまじんぐサンが男性なのか女性なのか、シュワルトネッガーみたいなごつい男なのか、それとも見目うるわしい美少女なのか、そのへんがすっごく気になりますが、いえいえ、べつにそんなことをあきらかにする必要はないし、わたしはそういうことで相手を差別しようっていうつもりはぜんぜんないんだけど、うん、すこし気になります。
あさってというと平日じゃありませんか。
連休でも不気味なフィルムセンター、魑魅魍魎にとりつかれないようお気をつけなすって。

投稿: 酔いどれ李白 | 2013年10月16日 (水) 05時29分

不規則な休みなので、台風一過の銀座通りと併せて散策してきます。

投稿: さ | 2013年10月16日 (水) 10時43分

もどったあと、また感想をお寄せください。

投稿: 酔いどれ李白 | 2013年10月16日 (水) 12時06分

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