東京オリンピック
さて、いったい何回目の孤独な大晦日、正月を迎えることだろう。
自ら選んだ道とはいえ、ああ、せつないね。
でも、そのかわりわたしは世間の大部分の人たちに縁のない、勝手きままな人生という対価を得たんだから、帳尻は合ったということにしよう。
女房はいないけど、ほんの少数の女性と浮名を流したこともあるんだし。
先日BSで放映された1965年の映画 「東京オリンピック」 を観ながらしみじみ。
この映画の監督は市川崑サンということだけど、映像制作に関心のある者にとって、これほどうらやましい映画作りはない。
なにしろいまもむかしも国の威信をかけた大競技大会だから、準備にお金と時間をたっぶりかけ、カメラの数は計り知れず、撮影されたフィルムも膨大な量になるだろう。
監督はこのあふれるような映像の中から、自由に取捨選択をして、カットをつなげるだけでいいのである。
芸術家としては常識と異端のはざまにいて、国のちょっかいをはねつけるだけの頑固な意思を持っていればいいんであって、すでにそれなりの名声を得ていた市川監督は最適だったかもしれない。
先日、知り合いの結婚式のビデオを作ったわたしなんか、実質的にわたしのカメラ1台だけ、一発勝負で撮り直しのきかないハラハラヒヤヒヤの連続だった。
監督・市川崑がうらやましい。
※画像はわたしが撮ったもんじゃありませんヨ、念のため。
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