ロシアⅡ/ロプヒナ
トレチャコフ美術館には 「ロプヒナの肖像」 という有名な絵がある。
ということは、ロシアに興味のある人なら知っているはずだし、わたしにとってダ・ウィンチの 「モナ・リザ」 より価値のある絵だということも、このブログをずっと読んでいる人なら知っているはず。
さて、彼女とは1年ぶりの再会だ。
ロブヒナの絵はチケット売り場から2階への階段を上がって、すぐ左の部屋にあった。
描いたのはウラジーミル・ボロヴィコスキーという画家。
この画家はレーピンなどよりひと世代まえの人で、肖像画家としてはかなり有名な人らしく、ルーブル美術館にも作品があるそうだ。
1年前にじっくり観た絵をまた観るというのは、古女房とのSEXみたいであまり感動しないものである。
それでもロプヒナのある展示室に入ってちょっと意外だったのは、ひと目で同じ画家の作品とわかる絵がほかにもたくさんあったこと。
ただ、ロプヒナ以外の絵におどろくような美人はいない。
理想と現実はちがうから、画家が依頼主の注文に忠実に応じると、なかなか美人にはならないものらしい。
ところでロプヒナはいったいいくつぐらいの女性なのか。
この絵の解説の中にはロプヒナ夫人なんて書いたものがあり、それなら人妻ということになるけれど、予備知識なしにロブヒナをじっと見つめると、彼女はまだ中学生か高校生くらいの少女にも見えてくる。
で、調べてみた。
ネット上の日本語サイトには記述が見つからなかったので英語のサイトを参照したが、なにしろ英語のニガ手なわたしのこと、あまりアテにされても困るんだけどね。
ロプヒナは1797年、18歳のときに10歳年上の男性と結婚し、数年後に病気で亡くなったらしい。
さらにその後、彼女の美しさとはかない運命に感動した詩人ポロンスキーによって、ロプヒナは永遠の生命を得ることとなった。
のだそうだ。
ほかにもボロヴィコスキーの絵はたくさんあるのに、詩を捧げられたのは彼女だけだと思うと、やっぱり美人は得であると思ってしまう。
下の画像はボロヴィコスキーの絵のなかではなかなか美形に描かれているべつの肖像画だけど、彼女も詩を捧げられたってことはないようだ。
この絵はもともと縦長の絵なので、彼女のもうすこし下半身が見たい人は「Vladimir Borovikovsky」というキーワードでググってみて。
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コメント
絵には古いも新しいもないけれど、この美人は、ずいぶん現代的な表情をしてますね。
投稿: 田舎の絵描き | 2014年2月26日 (水) 23時53分
そうなんです。
だからワタシ、彼女の唇に口づけしたいと念願してるのですが。
投稿: 酔いどれ李白 | 2014年2月27日 (木) 02時54分