ロシアⅡ/モスクワ大学
モスクワ大学の建物にはびっくりする。
ロシアにはモスクワのボリショイ劇場や、サンクトペテルブルクのイサク聖堂のような大きな建物があるけど、モスクワ大学の大きさはハンパじゃない。
わたしは雀が丘の展望台のほうから近づいたけど、いくら歩いても歩いても近くならない感じ。
円柱の足もとにいる人間が豆つぶのように見える。
あとで調べたら、モスクワに7つあるスターリン様式のビルの中でも最大の建物なんだそうだ。
モスクワ大学を見学したくないですかと金髪クンに訊かれ、わたしは一も二もなく返事をした。
見たい、見たい。
モスクワ大学は日本の東大に匹敵するロシアの国立大学で、観光名所なんかよりわたしはこういうところが見たいのである。
金髪クンはこの大学の学生寮に住んでいるのだ。
歩きながら、モスクワ大学について即席のレクチャーを受ける。
どっちが大学の正面なのかわからないけど、雀が丘の反対側のほうがにぎやかだという。
こちら側は雀が丘まで公園のようになっていて、大学を背にして雀が丘の先をながめると、一直線上に救世主ハリストス聖堂がのぞめる。
そうなるように計算をして建てられているのだそうだ。
金髪クンの説明の大半はすぐに忘れてしまった。
だから大学について、創設年月日、敷地の広さ、学部と学生数や教授の数、卒業した著名人など、そんな下らないことを知りたい人は例によってウィキペディアを参照のこと。
そんなことよりも、ここではどっちかというと脱線したレクチャーについて書く。
大学には外国からの留学生も多く、中国の学生なんか娼婦買いに精を出しているそうである。
失脚した重慶市の薄熙来書記のせがれが、アメリカで美女をはべらせ、フェラーリを乗りまわしていたことはよく知られているけど、成り金大国の中国のぼんぼんたちがせっせと散財しているらしい。
だから中国人は、と文句をいっても始まらない。
日本のぼんぼんたちだってバブルの最盛期には同じことをしていたにちがいないのだ。
そういう学生が将来国を背負って立つ人材に育つかどうかは疑問だけど、大学のほうにもそういうろくでなしの寄付をアテにしてやってる部分があるんじゃなかろうか。
以前の旅でガイドをしてくれたモスクワ大学の学生であるかほりクンは、ロシアの大学は入るのはやさしいけど、卒業するのがむずかしいですといっていた。
つまり親が金をつぎこめば、入れる余地だけはちゃんとあるというのがモスクワ大学なのかも。
そういえばすぐに学位や博士号を乱発するアメリカにも、ずいぶん頭のわるそうな学生を引き受けているところがあるみたい。
あとで学生寮に入ったとき、この部屋には日本からきた留学生が住んでいますといわれ、激励のために挨拶をしてみた。
髪をもしゃもしゃにした学者ふうの若者で、娼婦あさりなんかしそうもないタイプ。
親御さんがこのブログを読んでいたら、ご安心をといっておく。
最後の2枚はにぎやかな方側から見た図書館の建物と大学本体。
どっちから見ても形は変わらない感じ。
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