ロシアⅡ/具象的
新トレチャコフ美術館には近代以降の絵が集められている。
と聞くと、なんとなくわけのわからない抽象絵画ばかりじゃないかと思ってしまう。
そんなことはないのである。
わたしも意外だったけど、あるコーナーには写実的、具象的な絵が展示してあって、なかなかすてきな水彩画もあった。
ほとんどが聞いたことのない画家の作品で、さすがにレーピンやクラムスコイ、ポレノフなどのスタイルはないけど、印象派の影響を受けたような美しい風景やきれいなオナゴの絵もあり、バーチャル感覚でロシアを旅したいと考えているわたしをなぐさめてくれそうな絵だ。
スターリン時代の軍人の肖像画や、共産党のプロパガンダに同調した労働賛歌みたいな絵もあって、体制に迎合することでしか作品発表の機会を持てなかったロシアの画家たちの苦労がしのばれてしまう。
ここに載せたものはほんの一部だけど、そんなことを考えながら、新トレチャコフ美術館の絵をじっくり観るのはけっこう楽しいことである。
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