ロシアⅡ/H・ゴンチャロワ
本家のトレチャコフ美術館にくらべると、新館は人気がないはずだから、すいているかと思ったらチケット売り場には行列ができていた。
なんか個人展みたいなことをやっていて、作家の身内や親戚・知人・芸術愛好家や、誘われたから仕方がないって人たちが押し寄せていたらしい。
入口の看板を無理に翻訳してみたら、これは 「東と西のはざまで」 という展覧会らしかった。
主役はナターリャ・ゴンチャロワさんて人らしいけど、そのあたりはよくわからない。
でっかい看板の写真を載せておくから、ロシア語に堪能な人は勝手に理解しといて。
個人展といっても、作品を見たかぎりでは、さまざまなタイプの大勢の作家の作品が展示されていた。
わたしはここでも写真OKのステッカーを購入し、バシャバシャ写真を撮ろうとした。
モスクワを訪問する日本人は多くても、このときこの場にいあわせた日本人はあまりいないだろうから、この展覧会を取材したのはわたしだけかも。
するとまたブログのアクセスが増えるのではないか。
そんなことを考えていたら、ニェットおばさん (ソ連時代にロシアに生存していた、なんでもダメというおばさん) が近づいてきて、撮影してはいけませんという。
こっちへ向かってのっしのっしと近づいてくる黒いスーツの女性がそれだ。
だってとステッカーを見せると、撮っていいのは2階の常設展だけですという。
仕方がないから会場をうろついて、作品でなければいいんじゃないかと、壁に並べてあった作家の顔写真らしきものをこっそりパチリ。
この写真の女性はH.C.ゴンチャロワさんといって、今回の展覧会の主役らしい。
なかなかの美人であるけれど、彼女についてわたしはなにひとつ知らない。
で、またいろいろ調べてみた。
ネットで見つけた記事に、1881年生まれのナターリヤ・ゴンチャロワという前衛芸術家について書かれたものがあって、これがどうも彼女のことらしい。
ナターリャなら名前のイニシャルはNになるはずだという人がいるかもしれないけど、ロシア語のHは英語のNである。
活躍したのは戦前だからかなり古い人ってことになる。
そういわれてみるとこの写真で彼女がかぶっている帽子は、禁酒法時代のフラッパー・ガールのものだから、たぶん本人にまちがいないだろう。
つぎの写真の、顔にペイントの原始人みたいなのも同じ女性のようである。
芸術家の中には頭をモヒカン刈りにしたり、絵の具を身にまとって裸でカンバスの上を転げまわったり、好んですっとんきょうな行為にふける人が多い。
戦前からすでにこんなことをして喜んでいたということは、ロシアでもどこでも、むかしから芸術家というものは変人が多いということの証明なんだろう。
| 固定リンク | 0
« ロシアⅡ/彫刻公園 | トップページ | ウクライナ »
「旅から旅へ」カテゴリの記事
「美術館をめぐる」カテゴリの記事
- 松方コレクションの2(2019.07.29)
- 松方コレクション(2019.07.24)
- クリムト(2019.06.25)
- モロー展(2019.06.03)
- カトー君の2(2019.01.13)
コメント