ロシアⅡ/彫刻公園
ロシアの絵画や彫刻を集めたトレチャコフ美術館には、べつに新館というものがある。
作品を蒐集しすぎて入れ物がいっぱいになり、やむを得ず近代以降の作品はそっちにまとめたんだそうだ。
現代絵画や抽象芸術のキライなわたしは、前回の旅で新館のほうを無視してしまった。
今回は、どうせ今日はいちにち美術館まわりで過ごそうというつもりだから、散歩がてら新館のほうも見てくることにした。
新館は旧館からのんびり歩いて20分ぐらい。
「地球の歩き方」 を参考にしながらモスクワ川のほとりに出ると、ディズニーランドがふさわしいようなピョートル大帝の記念碑というものがそびえている。
この塔はべつの都市に建てられるはずのものが、そっちで評判がよろしくなく、モスクワに持ち込まれたってハナシだけど、持ち込まれたモスクワだって困るよな。
川岸からこの記念碑をながめると、そのずっと向こうに金ピカの救世主ハリストス聖堂が見える。
ハリストスというのはロシア語でキリストのこと。
この聖堂もスターリンの廃仏毀釈によって災難をこうむったそうだけど、あとで訪問することになるから、ここではくわしいことは省略。
この記念碑と聖堂をのぞむ川ぞいが公園になっている。
3番目の写真は新トレチャコフ美術館からながめたこの公園。
公園にはたくさんの彫刻が置かれていた。
ロシアでは街のあちこちにたくさんの銅像やモニュメントが設置されているけど、それはそれでいい景色だ。
しかしここにあったのは、日本の芸者の像もあるくらいだから、ロクなもんではない。
美術館のわきにはガラクタみたいな彫刻が無造作にならべてあって、どうやら集めすぎた作品の保管場所に難儀しているようだった。
ひょっとすると将来価値が出るかもしれないからって、秀作凡作の選別もせずやみくもに集めた結果かもしれない。
あとで所有者から苦情がきても困るから、勝手に粗大ゴミにするわけにもいかないし、巻いて畳める絵画とちがって、彫刻の処置は芸術大国の泣きどころかも。
新トレチャコフ美術館はこの公園の中にあって、見た感じは美術館というより、日本のどこかの県庁の庁舎みたいな建物である。
建物の前ではカーリングの遊技場ができていたけど、やっている人はひとりもいなかった。
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