ロシアⅡ/自然保護公園のA
市場を見学したあと、コローメンスコエの自然保護公園に向かった。
公園の入口はいくつかあるようで、わたしたちが入ったゲートの近くには、木造建築のでっかいのが建っていた。
ロシア風のログハウスだけど、古い様式であってもけっして古い建物ではなく、むしろ最新の木造ホテルとして使えそうな3階、4階建てほどもある巨大な建物である。
ガイドブックには、コローメンスコエには17世紀の木造宮殿があると書いてあるけど、これがそうかもしれない。
だとすれば、釘を使用していないという理由で、諸外国から 「世界の8つめの不思議」 ともいわれた由緒ある建物だそうだ。
釘を使わないで8つ目の不思議なら、日本にだって同じような不思議がごろごろしているぞと思う。
日本の法隆寺なんかこれより10世紀も古いし、しかもこっちのログハウスは、どう見ても復元された新しい建物だ。
いちおう写真を撮ったけど、新しいというだけでわたしは興味を失ってしまった。
幸いというか、この日は月曜日で休館日だったから、内部の見学はできなかった。
はりきっていた金髪クンはがっくり。
この建物のわきに馬に乗った人物の銅像がある。
後ろから見てピョートル大帝だろうと思ったけど、前から見たら可愛らしい女の子 (男の子?) の顔をしていた。
エカテリーナⅡならおばさん顔のはずだから、ピョートルの娘のエリザベートらしかった。
この像を見るかぎり可愛らしい少女だけど、ウィキペディアによるとけっこうしたたかなところもあった女帝で、出生地はコローメンスコエ、つまりこの公園のあたりになっている。
つまり彼女の生家がこのログハウスなのかもしれない。
なるほどねとわたし。
ログハウスから自然保護公園の中へ歩き出す。
このあたりから見ると自然のままの広大な公園で、見物にはだいぶ時間がかかりそうである。
時刻はすでに4時に近かったから、とちゅうでまっ暗になったら、公園の中には街灯もなさそうだから道に迷いそうだ。
大丈夫ですよと金髪クンはいう。
彼を信頼して歩き出した。
ぶらぶら歩いていくと果樹園らしく、剪定された木々のならぶ一画があった。
いまの季節には果実どころか葉もついてないから、なんの木かわからない。
ロシア人はリンゴが好きだから、おおかたリンゴ園ではないか。
暖冬のモスクワだけど、公園の中は雪におおわれていて、とちゅうで行きかう人もきわめて少なく、ロシアの田舎を歩いているようで気分はわるくない。
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