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2014年3月16日 (日)

ロシアⅡ/チップ

ノボデヴィチ墓地を見学したあと、ホテルにもどった。
この日も朝10時から午後5時ごろまで、歩きっぱなし立ちっぱなしだ。
最近のわたしはなにか用事がなければこんなに歩いたりしない。
好奇心につき動かされているときのわたしは疲れを知らない人間なのだ。
そう考えていたけど、さすがに老骨にムチ打つという感じで、あごをいくらか前方に出していたようだ。

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ここでまたチップについて書く。
外国へ行く場合、あらかじめこれについてその国のやり方を研究しておくことは必要である。

じつは部屋にもどったら、ベッドはちゃんと整えてあったけど、よく見るとコーヒーカップが洗ってなく、前夜の飲み残しのペットボトルもそのまま。
これは、ひょっとするとチップを置かなかったせいかもしれない。
ガイドブックにはロシアはチップ不要の国と書いてあるのに、まえに泊まった日本人でチップを置いた馬鹿がいるのではないか。
こういうことが重なれば、日本人は気前がいいという評判がたち、日本人が泊まればとうぜん部屋の担当は期待をしてしまう。
期待してそれが裏切られた場合の憎しみは筆舌に尽くせないものがあって、それでこんな仕打ちになるのではないか。
こんにゃろめ。

漱石の 「坊ちゃん」 みたいに最初に気前よくチップを払うと、それからは毎日払わなければならない。
なにがなんでも払わないという前歴をつくることは必要だ。
これしきのことでめげてたまるか。
コーヒーカップは洗面所で自分で洗えばすむ話ではないか。

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わたしがチップを親の仇みたいに考えているのは、これがマニュアル通りの海外旅行をして喜んでいる日本人の象徴みたいに思えるからだ。
誰もかれもが旅行というものはこういうものだと信じて疑わない。
欧米人がチップを置くのはそういう社会に生きている者の義務であって、彼らだってそれをめんどくさいと思っているのである。
日本に来た欧米人がホテルで、部屋の清掃やベッド・メイクに、いちいちチップを払ってるなんて聞いたことがない。
海外に行くとチップ制度が当たり前と信じている日本人がいて、しかもたいていは日本を代表するような平均的庶民である場合が多いから、アホなことをしてるなと思うわたしは払わないのである (払うべき国ではちゃんと払います)。

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たいそうなゴタクを述べてしまったけど、チップについて、あとで入ったレストランで、これははっきりわかるいやがらせをされたこともある。
料金が985P (ルーブル) だった場合、千ルーブルに半端の5P硬貨をそえて、お釣りを10P紙幣でもらうということは誰でもよくやることだ。
ホントはお釣りなんかどうでもよかったのだけど、いっしょに行った友人が、ボクが5P持ってますなんていいだして、そういうわけで1005P払ったら、お釣りが使い道のないような小さな硬貨でじゃらじゃらと返ってきた。
こんにゃろめ。
この場合はケチな友人がわるいのかも。

ホテルの部屋にはでっかい液晶テレビがある。
でも、テレビはほとんど見なかったし、ケータイなんか最初から持っていかなかったから、ルパング島の小野田寛郎さんみたいなみたいな生活だ。
せっかくロシアに行ったのになにやってんだという声が聞こえてきそう。
おおきなお世話さ。

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