ロシアⅡ/救世主ハリストス聖堂
トレチャコフ美術館のまえの道をクレムリンのほうへ向かうと、モスクワ川の支流が流れていて、その橋の上に 「鍵の木」 があるはずである。
鍵の木というのは恋人同士がいつまでも関係が続きますようにと、日本の願掛けみたいに木の枝にびっしりと南京鍵をつけちゃったもので、1年前の旅行のさいに見たことがある。
最初の写真が今回のソレだ。
鍵の木を見たついでに、救世主ハリストス聖堂を見て、そのあとクレムリンまで歩きましょうという話になってしまった。
鍵の木のある歩行者専用の橋から、モスクワ川にそってぶらぶら歩くと、車道のある大きな橋があり、さらにその先にまた歩行者専用の橋がある。
このへんはなんだかガード下みたいで、治安のわるい国だったらあまり夜は歩きたくないところだ。
それでも歩行者専用の橋に上がると、そこからはけっこう人通りは多い。
この橋のつきあたりに救世主ハリストス聖堂 (ハリストスはロシア語でキリストのこと) がそびえている。
新トレチャコフ美術館を見学に行ったとき、例のロクでもないピョートル大帝記念塔の向こうに見えた寺院で、ノボデヴィチ墓地に行こうとしたとき、クロポトキン駅のまん前にそびえていた金ピカの寺院である。
メトロの駅側からみるとたいしたことはないくせに、この橋のほうから見る威容はなかなかのものだ。
しかも夜はライトアップされてとてもきれい。
橋の上からはクレムリンも見える。
恋人とふたりで散策するには絶好の場所だから、彼女といっしょの金髪クンはいいけど、わたしはなんかお邪魔ムシ。
あとで行くことになるモスクワ大学からも、直線で見通せる位置にあるくらいだから、モスクワで最大級の格式をほこるハリストス聖堂であるけれど、スターリンの時代に宗教弾圧にあって、この聖堂も大厄災をこうむった。
当時の映画フィルムに爆破される教会の映像があって、わたしも見たおぼえがあるけど、それがこの聖堂だったのである。
一時この聖堂はこの世から完全に抹殺され、瓦礫の山になっていたのだ。
再建されたのはソ連崩壊のあとの2000年である。
聖堂の下から見上げると、壁に聖人や天使などの彫刻がならんでいる。
かっての聖堂の重厚さも忠実に再建されたらしい。
いくら再建が忠実であったにしても、この晩はもう遅い時間だったから、中に入ってみるわけにはいかない。
入ってみる機会がなかったものはほかにもある。
聖堂からクレムリンに向かって歩いていくと、円柱をつらねた重厚な建物があった。
プーシキン美術館ですと金髪クン。
ロシアまで行ってよその国の絵画を観ても仕方がないというので、ぜんぜん見学の対象にしてなかったところである
プーシキン美術館展というものがすこし前に日本でも開催されたけど、とくに観たい絵がなかったからそれも観に行かなかったくらい。
またモスクワに行く機会があり、ヒマだったら行ってみることにしよう。
この夜はメトロの駅で若い2人と別れた。
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