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2014年3月10日 (月)

ロシアⅡ/アルバート通り

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ドフトエフスキーみたいにむずかしい顔をしたまま赤の広場を散策し、つぎにアルバート通りへ向かった。
新宿のホコ天みたいな通りで、観光客に人気のある通りだけど、冬に行っても見るべきものはない。
そんなことはわかっているけど、ほかにアテはないし。

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赤の広場からアルバート通りまで、せいぜい1キロくらいだからまた歩くことにした。
国立図書館のわきを入ると、しばらくはビルのならぶ丸の内のオフィス街みたいなところで、観光ポイントでもないふつうの通りである。
こういうところをぶらぶら歩いていると一般のロシア人になったみたいで楽しい。

そのうちメトロのアルバツカヤ駅のわきに出た。
この駅を起点にして新旧のアルバート通りが放射状にのびている。
ホコ天になっているのは旧のアルバート通りのほうだ。
とはいうものの、冬のこの季節には似顔絵描きもパフォーマーも出てないし、わたしに興味のあるものはあまりない。

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大きな建物があった。
シェークスピアの劇なのか、オペラなのか、「オテロ」 を上演しているから劇場なんだろう。
銅像があった。
ピョートルじゃないことは確かだけど、誰のものかわからない。
ドラゴンという名のタトゥー屋さんがあった。
マルタ島でも見たことがあるけど、欧米やロシアではTATTOO屋さんはおおっぴらな商売だ。
前回の旅で見た記憶のある、大きな壷をころがしたレストランも。

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通りで 露店の古本屋が店を出していた。
むかしのわたしは街に出るとかならず本屋に寄っていたほうだから、店頭で子供向けの絵本をぱらぱらとひろい読みしてみた。
店主にヒゲを生やした山男みたいなおっさんがいたから、どうですか、景気はなんて会話をしてみたかったけど、こういうとき言葉が通じないのはつらい。
ロシアもそのうち、わたしのキライなBOOK-OFF形式の古本屋に席巻されることになるだろう。

アルバート通りを往復してくたびれただけで、ぜんぜんおもしろくなかった。
このままホテルにもどってひと眠りしようかなんて考えてしまう。

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腹がへったのでファーストフードの店に入り、ハンバーガーを食べた。
窓ぎわに坐っておもてを通る人をぼんやりとながめる。
こちらの店のまっ正面にダンキンドーナツの店がある。
ダンキンなんて英語らしからぬ名前だから、てっきりわたしは日系の店かと思っていたけど、このブログを書くために念のため調べてみたら、もともとは米国資本の店だった。

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ふだんのわたしはファーストフードなんかめったに食べないから、こういう店に不慣れである。
食べ終わったモノはどうするのかとガードマンに訊くと、そこに捨てろという。
指摘されたダストボックスに小皿の中身を空けていたら、よこせといってそれをガードマンがひったくり、小皿ごとボックスに放り込んだ。
モスクワではまだプラスチックの分別収集はしてないのか。

腹がいっぱいになったら、またつぎの目的地に向かう気力がわいてきた。

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