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2014年3月27日 (木)

ロシアⅡ/ボリショイ・サーカス

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モスクワ大学の見学を終えたころにはそろそろたそがれが近づいていた。
雀が丘のほうから大学に近づいたときは、静かな場所にあると思っていたモスクワ大学だけど、最寄り駅のウニヴェルシチェート駅のあたりは、けっこうにぎやかな繁華街である。

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大学から出たところに空飛ぶ円盤のような奇妙な建物が見えたので、金髪クンに、あれはなんだいと訊くと、ボリショイ・サーカスですという。
うわさには聞いていたけど、こんなところにあったのか。
いちどは観てみたいと思っていたんだけどねといったら、金髪クンはさっさと切符を買ってきてしまった。
600ルーブル(1800円ぐらい) の席だったけど、なに、入ってみて、すいていれば勝手に席を替わってもわかりませんとのこと。
じっさいには劇場は中心のくぼんだ円形で、後ろの席からも見晴らしがいいから、無理して前のほうに出る必要はなかった。
双眼鏡を持っていたわたしは、最後まで後ろのほうに坐ったままでいた。

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のっけから、女優でもつとまりそうな8頭身、9頭身の美女が、うすもののドレスにレオタード姿で、数十メートルもの高さに吊り上げられる軽業である。
子供たちはそのスリルに感心し、おとなのわたしは彼女の魅惑的なボディに感心する。
パリのショー・クラブ 「クレイジーホース」 には紳士淑女が押し寄せるそうだけど、サーカスだってエロチックな要素は必要だ。
もっとも鼻の下をのばしているのはわたしだけで、まわりはきゃあきゃあ叫ぶ人間のヒヨコばかりってのが、雰囲気的にだいぶちがうけど。

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最近は映画でもテレビでも刺激的な映像があふれているから、大人のわたしにとって軽業はちともの足りない気がした。
しかしこちらはコンピューター・グラフィックではなく、生身の人間が演じているのだから、すなおにおどろく演技もいくつか。
3メートルもある1本足の竹馬に乗った演技者が、空中高く1回転して、ぴたりと着地点へ。
こんなのってオリンピックだったら満点の演技じゃないかい。
回転する鉄パイプでできた車輪の上を、宇宙服みたいな衣装の演技者がゆっくり歩いて渡る演技もあった。
まるで彼の周辺だけ重力が消滅したようである。

軽業の合い間に男女のピエロが滑稽な寸劇をする。
さすがはロシアというわけで、女性ピエロもふくめて、バレエの素養のありそうな軽やかな動きの演技者ばかりである。
そんな華麗な演技をカラフルな光と影が彩り、音楽はオーケストラとロック・バンドが交互に担当する。
洗練された光線ショーとしても魅力的である。

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とちゅうに休憩時間があった。
円形のホールではみやげもの屋や飲み物の店が出て、子供たちはアイスクリームを食べ、わたしはヨーグルトを飲んだ。
日本の大相撲とちがってビールは置いてないみたい。

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最後はステージにネットを張りめぐらせて、なにが始まるのかと思ったら、トラやライオンがぞろぞろ10頭以上も出てきた。
肥満ぎみで動くのがメンドくさそうな連中ばかりだから、あんまり迫力がないけど、子供たちは大喜びだ。
自称ナチュラリストとしては、白いトラが出てきたのにちょっと興味をひかれた。
ホワイトタイガーは希少種だそうだけど、モスクワにはたくさんいるみたい。
最後から2番目の写真は、調教師がライオンにまたがって、こっちからあっちへひらりと飛ぼうとするところ。

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最後の写真は出演者全員による華やかなフィナーレ。
ボリショイ・サーカスは、今回の旅でわたしが体験したゆいいつのエンタティンメントだ。

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