叫び
ムンクの絵に 「叫び」 という傑作がある。
あちらは有名だけど、それじゃこっちの絵はどうだ。
この絵を描いたのは小山田二郎。
ごらんのとおりの前衛的画風だけど、これにタイトルをつけるなら、「叫び」 というのがぴったりじゃないか。
あいかわらず本棚の整理をすこしづつ続けておりますが、本棚のすみっこから、ずっとむかし、三鷹市美術ギャラリーで開かれた 「日本の自画像展」 という絵画展のカタログが出てきた。
ホコリをはらって、ひさしぶりにページをめくってみたら、古今の著名な53名の画家の中で、いちばんインパクトのあったのがこの自画像だ。
小山田二郎は難病をかかえた不遇な人生と、あげた名声をみずから地に捨てるような奇矯な生き方をした画家である。
というものの、わたしはこのカタログを見るまで、この画家のことをぜんぜん知らなかった。
この絵に興味をもって画家のことを調べてみたら、ちょっと直視するのもムズカシイ、そんな悲惨な境遇の画家であることがわかった。
さればこそ、この作品にタイトルをつけるなら 「叫び」 で決まりだと思う。
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