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2014年5月15日 (木)

醜悪

ちょっとまえの新聞に、有名な画家の最近の写真が出ていた。
しばらく見ないでいたら、白髪の無精ヒゲをのばし、ひたいには黒いシミがいくつも浮かび、なにか病気でもしたのか、パンパンにふくらんだまん丸な顔の、はっきりいえば醜悪な老人になっていた。

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画家という職業のよさは、ふつうの人なら定年になった歳でも仕事を続けられることだし、彼ほど有名なら食うに困ることはないにちがいない。
でも、この人ももはや人生になんの楽しみも見い出せないんだろうなあって思ってしまう。
創作や思索に生きがいを見出すというと聞こえはいいけど、老人のそういうものはたいてい、人生についての悔いや煩悶から生じるもので、そうでなければ惰性でやっているようなもんだ。
そんなもので明日も元気に生きようという活力がわくはずがない。

他人がどうなろうとわたしがかかわる問題じゃないけど、わたしはそんな複雑な人間ではないから、女の子に相手にされないトシになったら、これは生きていても仕方がないなと、以前からそう思っているのである。
わたしもそのうちこの画家と大差のない老人になるだろうから、しみじみ。
介護が重大な社会問題になる時代に、わたしはどうやって生きりゃいいのかって、いろいろ考えてしまうよな。

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